さくらはどこへ連れて行っても

家での様子と変わらない赤ちゃんだった。

 

抱っこ紐で揺られるのも好きで、

連れて歩くとだいたいすぐに眠っていたし、

知らない場所へ行っても不安な顔をすることはなかった。

 

週末によく義実家へ連れて行くのだが

誰にでも抱っこされるし、泣くことも少なかった。

 

 

しかしこの日は違った。

 

 

いつも通り、何も変わったことはなく義実家へ行き、

玄関ドアを開けた瞬間だった。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

突然火が付いたように泣き出したのだ。

こんなにいきなり大泣きになったことは今までにない。

 

何?どうしたの?どこか痛い?

 

急いで入ってさくらを寝かせ、服やオムツをチェックする。

特にどこも変わった様子はない。

 

なんだろう?

 

家の中にいてもまったく泣き止まないので

気分転換にと思って近くのスーパーに買い物に行っても

私に抱っこされながらずっと泣いている。

 

なんだろう?

 

そのうち泣き止むかなと義実家へ戻ったのだが

おばあちゃんが抱っこしても、今までにない泣きっぷり。

 

げほげほひーひー言うくらい大泣きで

顔なんか涙と鼻水とよだれでぐちょぐちょ。

 

「ちょっとあんた。お腹空いてんねやわ!

静かなところでミルク飲ましておいで!」

 

とおばあちゃんに言われ、ミルクの時間はまだなんだけどな。

と思いつつミルクを作り、2階の夫の部屋でミルクを飲ませる。

 

泣いてはいるけどミルクは飲む。

目にいっぱい涙をためたまま私を見つめてごくごく飲む。

 

そして飲み終わった途端、また泣き始めた。

 

何かしらんけど、ミルクは飲むのね。

 

「あんたが毎日家の中にずーっとおるからやわ。

毎日毎日あんたの顔しか見てへんしな。

もっと外に連れて出たらなあかんで。」

 

とおばあちゃんの非難を浴びつつ

どうやっても泣き止まないので外に連れて出る。

 

義実家の前を抱っこしながらうろうろと歩き回り、

近所のおばちゃんたちに心配されながら

それでもさくらはずっと泣き続けたまま。

 

もうなんで泣いているのか自分でも分かってない感じで

しゃくりあげて息をするのがしんどそう。

 

こんなに泣いているさくらを知らないので

何をどうすればいいのか分からないまま

とにかくいつものように抱いて歩き回るしかない。

 

でもダメ。

お手上げ。

 

結局「みんなでお風呂屋さんに行こう」という予定を変更し、

夕飯もそこそこに家に帰ることにした。

 

さくらは帰りの車の中でもずっと泣いている。

 

どこか具合が悪いんだろうか。

どこか痛いんだろうか。

このまま泣き止まなかったらどうしよう。

 

と不安を抱えながら帰宅。

 

そして自宅の玄関ドアを開けて、家の中に入った瞬間だった。

 

あんなに泣いていたのに、どうやっても泣き止まなかったのに

何事もなかったように、いつも通り愛想を振りまいて

「んきゅー♪」とご機嫌な声。

 

なに!?なんなのいったい!

 

家に帰りたかっただけ!?

 

 

 

何かいる!?

さくらが手が付けられないほど大泣きをしたのは

後にも先にもこの「義実家」だけだった。

 

一週間後に行った時も玄関ドアを開けた瞬間に泣きはじめ

しばらく足が遠のいたほどだ。

 

私はさくらが何かを感じていたんだと思う。

だってあんな「ガチャ うぎゃー!」っておかしいもの。

何かいたんだって。あの頃義実家に。見えない何かが。

 

でも実際何が原因だったのかはいまだに不明。

 

さくらは生まれる前や、生まれた時のことを覚えてるくせに

(この話はまたいつか)

この時のことは覚えてないんだって。

 

真相を知りたかったのにな。

 




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今日も朝から機嫌よくずいずいと床を這いずり回っているさくら。

 

抱き上げるとウナギのようにうねうねする。

おろせと言ってるのだ。

 

ゴミ箱や本棚に頭がつっかえると

「んなっ!」とお呼びの声がかかるので

足を持ってずずずーっと引っ張って元に戻すと

にひゃっと笑ってまた進んでいく。

 

飽きもせずに何度も何度も。

 

そのうち動き疲れるらしくコテっと頭を下ろして休憩。

 

そして数分するとふいっと頭を起してまた動き出す。

 

カラクリ人形みたいだな。

 

 

機嫌良く何回もそうやって遊んでいるので
足が擦れて痛くないんかなーと指をつかんで見ると

 

 

 

 

 

んぎゃ 皮がむけてるではないですかっ
加減ってもんを知らんのかおまえはっ

 

カメのような娘をむんずとつかんで

さてどうしたもんかと思案する。

 

私ならばんそうこうを貼る。

取れるようなら上からテーピングでも巻く。

 

でも娘のちびこい親指にばんそうこうは大きすぎる。
それにこの粘着力はちょっと怖い。

 

あ。NICUに入ってた時にべたべた貼りまくられてたテープ。

あれの残りをもらってたんだ。
新生児の顔に貼り付けてたんだからいけるよな。

 

ん? いや待てよ。

いくら粘着力が弱くても皮がない所に貼ったら痛いよな。

 

あそーだ。へその緒が取れるまで貼り付けてたガーゼがあった。

あれだ。あれを使おう。

 

ちまちまガーゼを切ってテープを貼り付けて

いざ娘の足にっ 足っ 親指にっ このっ えいっ

動くなっ こらっ あっ

 

・・・・

 

無理だな。

 

いいやもう。靴下でも履かせとこう。

足が床に擦れないようにしとけばそのうち治るだろ。

 

 

 

そして靴下を履かされたさくらは

摩擦力がなくなって前に進めなくなってご立腹。

 

「んぎーーー!」

 

我慢なの!

 




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自分の意志で寝返りができるようになると

常にうつぶせ寝、常に腹ばいといった体制になった。

 

どうもお腹を上に向けるのは好きじゃないらしい。

 

 

そして腕を使ってしっかり上半身が上がるようになると

足の力でぐいぐいとズリバイをし始めた。

 

目的物に向かって。

結構なスピードで。

 

育児書には「おもちゃに手を伸ばして取るようになります」と書いてあるが、

さくらは体ごとおもちゃに突進していって、まず口ではぐっと。

それから手で持つという順番だ。

 

おもちゃだけではない。

 

テーブルの脚、ゴミ箱、洗濯物、電気コード、

抱っこしている私の手やら、服やら、
枕カバーからシーツからハンカチから何から何まで
目で確認するやいなや口が向かってゆく。

 

そしてありとあらゆるものがよだれまみれになる。

 

 

それは自分の手も同じ。

 

「けぇっへっ けへっけへっ」

 

と、いつになく変な咳をしたのであわてて娘を見ると

舌を突き出してえずくようにしていた。

 

何。どーしたの。

 

と見ていると、口をくちゃくちゃ言わせて

何事もなかったように手をしゃぶりだした。

 

ぎこちなかった手の動きが滑らかになってきて

ぱっと口まで持っていけたり

両手を目の前でもぞもぞさせたり

指をびんっと立てたりするようになってはいたけど・・・

 

また顔が「おえっ」って感じになったので

まさかと思って口に入ってる手を引っ張り出すと

 

立ってますよ人差し指が!

 

「けほっ」

 

口の奥まで指突っ込んだらそらおえってなるわ。

 

これは教えようにも教えられないし

いちいち手を引っ張り出す訳にもいかないので

げほげほ言ってもほっとく事にした。

 

 

はよ気付け。

 

 

 

何でも口に入れる

さくらは「口でものを確かめる」というより

何も考えもせず本能的に何でも口に入れているように見えた。

 

これはもうとにかく誤飲しそうなものは全て片づけるしかなく、

一番神経をつかったことかもしれない。

 

しかし「それ口に入れる!?」とこちらの想像力を上回ることもあって

これが今後何度もさくらを窒息の危険にさらすのだった。

 

とほほ

 




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今はもうないが、さくらの小さいころはツベルクリン注射というものがあった。

 

ツベルクリン注射は結核の診断につかうもので、

ぷちっと注射されたところがどのくらい腫れるかで判定される。

 

そこで「結核にはなってませんね」と判断されると

初めてBCGの予防接種をするという

たいへん面倒くさいものだった。

 

ツベルクリン注射では熱も測らず「元気ですか?」という

えらい簡単な問診だけで打ったのだが、

BCGの予防接種となるとそうはいかないらしい。

 

指定された時間に保健センターに行って受付をすると

「お熱を測ってください」と体温計を渡された。

 

その次に信じられない一言が

 

「5分間計測してくださいね」

 

は!? 5分? 5分って言った今?

 

5分も脇の下に体温計つっこんでじっとさせろと?

こんなちっちゃい子に何無理言ってんのこの人。

電子体温計よねこれ。30秒そこそこで測れるでしょ?

 

という思いで、「え?5分ですか?」と聞き返したんだけど

帰ってきた答えは

 

「はい。5分間計測してください」

 

だった。

 

マジかよ。

 

 

体温計をもらってさくらを抱っこして

ずらりと並んだパイプの空いている椅子に座りつつ

周りを見ると

 

みんなおとなしい。

 

じーっと抱っこされてる。

 

は? どゆこと?

なんでそんなにおとなしいの?

なんでみんな黙って抱っこされてるの?

 

 

周りを習ってさくらを横抱きにして体温測定開始。

 

しばらくはきょろきょろしてたけど

そのうちジタバタしはじめた。

 

だよねー!

 

ちょ、ごめ、じっとして。

ここ自由に動けないんだって。

あと4分がんばってじっとして! ←絶対無理

 

鍵を出してチャラチャラ見せる。

立ってみる。

歩いてみる。

 

けどもう「離せってんだうらー!」状態になってるさくらは

何をどうやったって見向きもしない。

 

たった4ヶ月の赤ちゃんでも本気でジタバタされると

体温計を持って腕を押さえ続けるのは無理。

 

抱っこじゃなくて床に置けばなんとかなるかも。

でもここ土足の床だし

 

あーーもーー 無理!

 

3分で計測断念。ぜーぜーぜー

 

何度?「37.4℃」

 

暴れるから高くなっとるがな!

 

 

案の定もう一回測ってくださいと言われて、同じことを繰り返す。

何か脇に入れられるとぎゅっと動けなくされると学習したさくらは

ふんふんと腹筋を繰り返し、

それでも逃げられないと分かると体をひねって抜けようとする。

 

どこに行くんですか!

 

ちょ、お願いだからじっとして!

これ終わったらぎゅっとするのやめるから。

これには理由があってだな!

 

と説明しても通じるはずもなく。

 

そして「37.5℃」

 

上がってどーする!

 

ちなみにさくらは泣いていない。

「んー!」という抗議の声を出しているだけ。

 

 

さくらがうねうねジタバタしているのを見かねて

 

「動いてるから高くなっちゃうのね~。

接種できる体温ギリギリだけど先生に診てもらいましょう。」

 

と医師にぴろぴろっと診察されてBCGの予防接種を受けることに。

 

「BCGで熱は出ないのでこのまま上がるようなら他の病気です。

その場合は病院に連れてってくださいね。」

 

と言われたけど、さくらは平熱が高いのでこのくらいは普通だ。

 

ちなみに私も体温が高いので、高校の時は「微熱があるので」と言って

ズル早退を・・・げふんごふん

 

 

 

で、そのBCG。

 

針がいっぱいついたハンコのようなものを

腕に塗った液の上から力の限りぎゅううううううっと

2回も押し付けるのだが、

 

1回目。自分の腕をじーーっと見たまま泣かないさくら。

ものすごく痛そうなんだけど、痛くないのかな?

 

そして2回目。ハンコを腕に近づけた途端

「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!」と泣き出した。

 

あ。やっぱり痛いのね。

そのハンコはいやだ!の表現ね。

 

 

そしてこの後、再び恐ろしい指示が

 

「腕に塗った液に絶対に触らないでください。

服にもつかないように赤ちゃんの手を持っていてください。

自然乾燥するまで座ってそのままお待ちください。」

 

って、はぁ!?

 

だから、そういうの無理だってこんなちっちゃい子に!

塗った液って結構濡れてるよ?これ自然乾燥って何分かかるの!

座ってって、なんで立っちゃダメなの!? ←ダメとは言ってない

 

 

と思ったけど、周りの赤ちゃんは

泣いてる子も泣いてない子も

みんなお母さんにちょこんと抱かれていた。

 

・・・なんで?

 

 

 

多動

アスペルガーにも多動の症状はある。

 

しかしADHD(注意欠陥多動性障害)を併発していなければ、

その多動はADHDのそれとは理由が少し違ってくる。

 

ADHDは衝動性があるけど(何も考えずにぱっと動く)

アスペルガーはそこに明確な意思があることが多い。

 

 

この時私が思ったのは「なぜさくらだけ動くんだろう」ではなく

「なぜ他の赤ちゃんはじっとしてるんだろう」だった。

 

そして出した答えが

 

まだみんな自分で動けることに気付いてないんだな。

それになんだかぽや~んとしてるし。

こんなにいろんなものがあるんだから動きたいと思って当然。

ってことはさくらは賢いんだ。

 

だった。

 

あながち間違ってはないけど、

周りと比べて違うということは、発達も普通と違うということに

この時はまだまったく気づいてなかった。

 

いや、しばらく経っても気づかないんだけどね。

 




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仰向けに寝かせた状態で両手を持って

ゆっくり引き上げてもきちんと首がついてくる。

 

というのが首が据わった状態。

 

首が据わるというのは、これはもう劇的な変化なのだ。

 

自分で子供を持つまでは、

早く首が据わって欲しいとか聞くけど

そんなのいつでもいいんじゃないの?

なんて思っていたのだが、これが大間違いのとんちんかん。

 

もちろん我が子の成長がうれしいというのも多少はあるのだが

首据わりに対する意気込みはそういう所ではない。

 

なんといっても抱きやすさがまったく違う。

首さえしゃんとすれば片手でひょいと抱いたままもう片方の手があくのだ。

それも横抱きではなくて縦抱きで片手があく。

新生児の頃と比べると私の手の自由度が飛躍的にあっぷ。

 

すばらしい。ぱちぱちぱち

 

 

だがしかし。

 

首がしっかり据わったということは

その他の背中や腰もしっかりしてくるということなので

自主的な寝返りを始めてしまうということなのだ。

 

これ大変。結構大変。

 

首がしっかり据わったな。と思った翌日には

一方向にだけ寝返りをしてまた仰向けに元に戻る。

という寝返りを繰り返しはじめ、

 

その翌日にはさらなる進化を遂げた。

 

 

ちょっと目を離している間に

どういう訳だかベッドのサークルに頭をぶつけたり足を挟んだり

顔くっつけてしがみついていたりする。

 

そしていちいち「んぎー!」という抗議の声を出すのだ。

 

これが結構うるさい。

 

ええい家事ができないではないか。

目を離してる間に何してんだいったい。

 

あんまり頻繁なのでしばらく目を離さずに見ていると。

 

まず左腰をくいっと捻って横向きに。

それから足をぶいんと振ってうつ伏せに。

左手と右手を体の下に入れたままぐいっと体を起す。

 

おおお。もう体持ち上げるんだ!

 

でも両手が広がってないので安定が悪い。
当然持ち上がっている重たい頭がふらふらして
結構な勢いでどっちかに転がる。

 

その転がった方向が悪いとベッドのサークルに激突。

 

「んぎー!」

 

その体勢をどうにかしようとジタバタしてると
まっすぐだった体がどんどん回転する。
そんでまたうつ伏せになろうと腰を捻る。

 

とかしているうちに
いい感じで頭がサークルにヒット!

 

「んぎー!」

 

なるほどな。

 

・・・・

 

どうしろってんだ。

 

 

 

そして結局抱っこで家事。

片手抱っこだとさくらも上半身が自由なので

きょろきょろと楽しそうに周りを見ながらおとなしくしている。

 

でもね、いくら片手があいてるっていってもね

ずっと抱っこしてると重いですよやっぱり。

 

 

 

生後3ヶ月の赤ちゃん

● 首が据わる
● 腹筋を使った笑い方ができる
● 昼夜の区別がつきはじめる
● 手や足の存在に気付いてじっと見つめる
● 両手を体の前で合わせることができる
● 軽いおもちゃなら持つことができる

 

まだ大きく違ってません。

 

でも「寝返りをする」という項目がない。

このあたりからちょっとずつ違ってきたのかも。




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リクライニングした座椅子に座らせると

くいっと頭を持ち上げるようになって数日。

 

あっという間に背中まで起こせるようになった!

 

全身に力が入っているので両足も中に浮いていて

何がしたいのかよくわからない体制に。

 

ほっとくとどうなるのかなーと眺めていると
そのまま頭の重さでどごっと前につんのめる。

(やわらかい座椅子の上なので大丈夫)

 

でんぐりがえしですか。

 

おぶおぶしてる娘を持ち上げて座らせると

再びぐぐいっと体を起こす。

 

でもまだ首がしっかり据わってないので

顎が胸にひっついててかなり苦しそう。

 

また前に傾くかなーと見ていると

そうならないように自分でどうにかしようとしたらしく

今度は横にころりん。

 

「あきゅー!」

 

おお。ご機嫌ですな。

 

転がったまましばらくすると視界が違う事に気付いて

今度は頭をぶんぶん振ってあちこちを見る。

足をばよんばよん動かして少しずつ移動する。

 

 

楽しそうなのはいいんだけど、ちっとも目が離せないので

家事をしたりトイレに行く時は

ベビーベッドのサークルの中に入っていただく。

 

 

 

一対一対応

こんな風に、さくらは一人遊びが上手(?)で

私を求めて泣くことはなく、おむつが汚れてもお腹がすいても

文句を言うような声は出しても、「泣く」ということが少なかった。

 

痛い。動けない。といった時も

その問題が解決されればぴたっと泣き止むので

何が気に入らないのか探すのがわりと簡単だったし、

 

眠くてぐずぐずいう時も、こうかああかと揺らし方を変えると

「それ!それでよろしく!」と言わんばかりに

ぴたっと文句を言わなくなる。

 

これが一対一対応。

 

総合的な気分が機嫌を左右するのではなく

 

痛い→痛くない→OK

動けない→動ける→OK

眠い→眠れる揺れ→OK

 

のように、ひとつのことに対して対応がひとつでいいので

赤ちゃんのお世話というよりは、ゲームをしている感覚に近かった。

 

「ミッション!今の心地よい揺れはどれか!?」

 

みたいな。

 

しかも1日4回くらいやってるとこっちも慣れてきて

 

多分今はこれだな!

よっしゃ当たりー!

 

みたいな。

 

 

頃のころから既にアスペ同士の妙な関係ができあがってたんだろうな。

 




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自閉症の子は目が合いにくいとよく言われるが、

さくらは積極的に目を合わせてくる赤ちゃんだった。

 

近づく素振りをするとこちらに顔を向けてうれしそうに手足を動かし、

話しかけるとさくらも声を出して答えるし、

こちらがすることをほんとによく見ていた。

 

にこにことよく笑い、ほっといても泣くことはあまりなかったので

昼間はほとんどリビングの座椅子の上で過ごしていた。

 

 

座椅子に寝かせると、

手足を動かす反動で床に落っこちてしまうのだが、

それで泣くことはなく、

さらに足を使って背面ズリバイで移動し、

壁や家具に頭がゴンと当たるとやっと泣く。

 

泣くというよりは文句を言っているような声。

 

そういう時は抱っこして慰めようとしても反り返るので

移動できるように体の向きを変えて再び床に置くと

機嫌よくまたズリズリと移動してゆく。

 

足が勝手に動いて勝手に移動しているのではなく

自分が移動することで見えるものが変わってくるのが面白くて

しっかりした意志の元に動いているように見えた。

 

 

 

そんなある日、首も腰もずいぶんしっかりしてきたので

そろそろお座りできるかな?と座椅子に座らせてみることに。

 

それまでのお座りは私が体育座りのような格好で座椅子に座って

斜めになっている膝の上にさくらをもたれさせていたのだが

座椅子に自分で座ると頭を持ち上げやすくなるのか、

顎を胸につけるようなやたらに苦しそうな姿勢を取っている。

 

「しんどいやろ。寝とき。」と頭をべしっと押しても
口をへの字に曲げてがんばって元に戻る。

 

そうやって頭に力を入れれば入れるほど足も上がっていき
まるで丸虫をひっくり返したような体勢に。

 

・・・腹筋?

 

そして最初はお腹に集中していた目線が
その先の方でばおばお動く足に向いた。

 

お。自分の足発見ですか。

 

しばらくはじーっと足を見ていたのだが
ついにびよびよ動かせる事に気付いたらしく、
それからはキックキックとぅっ!のオンパレード。

 

反動で座椅子から転がり落ちて頭を打ちそうなほど。

 

 

過集中

アスペルガーの人は周りが分からなくなるほど集中することが多い。

これは過集中と言って、あまりよろしくない。

 

集中できるのはいいことでは?と思うかもしれないが、

食べることや寝ることさえ忘れて集中する人もいる。

 

アスペだからといってサイボーグなわけではないので

体や脳は同じように疲れてしまうし、

酷いと栄養失調や睡眠不足といった問題がおきてくる。

 

 

この頃からさくらは

暇だし仕方ないから一人遊びしとこ。

というのではなく、

 

今忙しいから邪魔しないで!

 

くらいの勢いでいろんなことに集中していた。

 

そしてそれを横でじーっと観察して

今こう思ってるんだろうな。今こう言いたいだろうな。

ということを勝手にアテレコして遊ぶ私。

 

「お。何か動いてるぞ?なんだろう。

わ!すげ!これ自分で動かせるんちゃうちょっと!

ほらやっぱり動かせるって!ひゃっほーすっげー!

あ。よく見たら体から出てるやん。

おもろいもんくっついてるなー!」

 

とかなんとか。

 

これけっこうおもしろい。

 

大事なのは好きに集中させておくのではなく

ちょいちょい邪魔して他の時間軸があるんだよと意識させること。

 

まぁ、だいたい邪魔したら怒るんだけどね。

 




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3ヶ月になったさくらは、

朝ご機嫌で起きる赤ちゃんになっていた。

 

赤ちゃんって泣いて起きるもんじゃないの?

10時間も寝たんだからお腹空いてるよね?

 

でもさくらは目が覚めると大きな声で「あんばぁ~」と叫び、

私がベビーベッドを覗きこんで「おはよ~」と言うと

しっかり目を合わせ、にっこり笑って反応し、

手足をぐいぐい動かして遊んでいる。

 

最近自分の手を発見したのでおもしろいらしい。

 

それからオムツをかえて、ミルクを作っても

「あいやいやん あきゅぅ~」などと声を出して遊んでいる。

 

泣かないけどミルクあげていいんだよね?

お腹すいてないわけじゃないよね?

 

と抱っこしてミルクをあげると

特に嫌がる様子もなくぐびぐびよく飲む。

 

泣いてからミルクをあげよう!と思って

作ったミルクを置いて待ってみたこともあるけど、

ミルクが冷た~くなってしまった。

 

泣き方もお腹がすいているのかどうか微妙。

これはいったい・・・

 

 

うーん。

 

 

グーグルかちゃかちゃ

 

「泣かない赤ちゃんでも、あやせば笑う、物音に反応するようなら

順調に発達していると思っていいでしょう。

授乳量は足りているか、体重が増えているかもチェックしましょう。

泣かないだけでなく、笑わない、反応しない場合は要注意。」

 

お。泣かない赤ちゃんもいるんだ。

 

でもさくらは泣く時は泣くし、あやせば笑うし、声も出すし、

目も合うし、遠くから声をかけてもこっちを向くし、

ミルクはちょっと足りないかもしれないけど、

体重は増えてるから大丈夫だな。

 

要注意ではなし!

よしよし

 

 

 

食への関心

自閉症の子は、痩せているか、太っているかの両極端の子が多い。

 

それは満腹中枢や、空腹感を感じる脳機能が

どこがおかしいせいだとうと思う。

 

さくらは空腹感を感じにくいタイプ。

 

 

なので泣かない赤ちゃんだったのではなく、

既に食べることへの興味が薄れてきていたと思われる。

 

たった3ヶ月で。

 

ただ、食べることそのものがイヤというわけではなく、

ミルクを与えれば「そうそう!これ!」とばかりによく飲んでくれた。

 

空腹がうまく脳に伝わらないからか

空腹を不快だと表現する力が弱かったのか、

そのどちらもなのか。

 

野生動物だと生きていけないだろうなこれ。

 




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生後2ヶ月も半ばを過ぎると、夜の10時頃その日最後のミルクを飲んで、

朝の7時ごろまでぐっすり寝るという規則正しい生活になっていた。

 

でも、私が熱を出して寝込み、熱は下がってもなかなか回復せず

うだうだと転がっていた数日間。
さすがに普段何もしない夫も、

夜のミルクを飲ませてくれると言うではないか。

 

なかなか復活しない私はどーにもへろへろりんなので
寝かしつけも押し付けて先に寝かせていただく。

ありがたや。

 

 

夫に頼むと、部屋の明かりをつけ、テレビを見ながら

そこらへんの座布団に転がしておくだけなので

さくらもぐっすり眠ることができずにぐずぐずする。

 

すると夫は「寝ないから飲ます」とミルクを足し

それにともなってどんどん夜型に。

 

夜中の2時ごろトイレに起きた時に

「やっと寝たわー」という夫の言葉にかなりびびった。

2時って。2時ってあーた!

 

いんだかわるいんだか。

 

いやわるいだろ。

 

さくらは一度深く寝ると少々のことでは起きないので、

夜中の2時過ぎに寝ると、朝10時まで寝てしまうことになる。

 

さすがにこれはいかんですよ。

人間たるもの夜寝て朝起きねば。

 

私も夜は寝たいし。

 

これは倒れてる場合ではない!

 

と、なんとか復活してさくらの生活時間を立て直すと、

さほど苦労もせず初日すぐに早く寝てくれた。

 

ほら部屋を暗くして静かにすればすぐ寝るじゃん。

やっぱり人に任せるもんじゃないな。

 

と安心したのだが!

しかし!

だがしかーし!

 

なんとさくらは夜早く寝たにも関わらず

翌日はそのまま10時近くまで起きなかったのだ!

 

連続睡眠の最高記録10時間超え!

 

いきなり早く寝かせたからかな。

朝は寝るものと思っちゃったか。

たまたまだな。うん。

明日はちゃんと起きるようになるさ。

 

と思ったのだが、

この日を境に毎日夜は9~10時間睡眠に。

 

さらにどこかに出かけた次の日なんかは
昼間もずーっと寝ていることも。

 

寝過ぎよねこれ?

 

おーい。ミルクの時間とっくに過ぎてるんですけどー。
お腹空かないのかーい。喉乾かないのかーい。

 

とか話しかけてもゆすっても起きる気配すらない。

 

観察しているとぐねぐね寝返り(のようなもの)をしていて

横に向いたり上に向いたりしているので

微動だにせず死んだように寝ているわけでもない。

 

おむつをかえれば起きるかと思ったけど
お尻を出されようと、足を持ち上げられようと
心地よい寝息を立て続ける。

 

うーん

 

寝てくれるのはありがたいけど、
夜はともかく昼間は成長のためにミルクを飲んで欲しい。

 

脱水になったりしないのかなーとちょっと心配だったので
ミルクを作って寝ている娘をよっこら抱っこして
哺乳瓶の乳首をくちびるにちょんちょんとあててみる。

 

と、口を開ける!

 

そして飲む飲む ごっくんごっくん ほっ
これ条件反射だな。

 

でも目は閉じたまま。
やっぱり寝過ぎな気がする。

 

こうやって無理にでも飲ませないと、
1日のミルクの回数が極端に少なくなってしまう。

 

2ヶ月の赤ちゃんが飲むミルクの標準は

「120ml~160mlを3時間おきに6回」となっているのに

さくらは150~160ccを3~4時間おきに4回になってしまう。

 

あきらかに足りない。

 

赤ちゃんって無理やり起こしてミルク飲ませるもんなの!?

 

 

 

睡眠障害

なかなか寝付かない。寝たと思ってもすぐ起きて泣く。
夜泣きが激しく一晩に何十回と起きる。
というのが睡眠障害の一般的な症状なのですが、

さくらのように寝過ぎるのも睡眠障害の一種で、
熟睡障害と言います。

 

のちに主治医に「話をしているのに突然寝たりしますか?」
と聞かれましたが、そういう症状はありませんでした。

 

主治医はナルコレプシー

(昼間に我慢できないほどの眠気が突然襲い、

気を失うように眠ってしまう脳疾患)

を疑ったようですが、娘はそこまでではありませんでした。

 

 

いっぽう9年後に生まれた息子は寝ない方の睡眠障害で

足して2で割ってくれー!それか逆にしてー!となん度叫んだか。

 

年を取れば取るほど睡眠不足ってきついのよ。




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生後2ヶ月のさくら

 

オムツのメーカーを変えても皮膚トラブルなし。

ミルクはどの種類でもぐびぐびよく飲む。

夜は泣くこともなくまとめて寝る。

昼間もお腹が空いた以外ではほぼ泣かない。

 

お風呂も機嫌よく入って、終わって脱衣所に寝かせておいても

私がお風呂から出るまであーとかうーとか言いながら転がってる。

 

なんて手がかからない子だろう。

 

と今でこそ分かるけど、この時の私はこれが普通で

赤ちゃんのお世話が大変だと言ってる人は

ひとりになりたいとか、遊びに行きたいとか、

自分の生活を脅かされるのがイヤなんだろうな。

こんなにおもしろいのに。と思っていた。

 

赤ちゃんを間近に観察することなど今までなかったので

脳と体とがひとつずつ、それも確実に繋がって
毎日できる事が増えているのが本当におもしろかった。

 

目がびしっと合うようになったかと思えば

こっちの動きに合わせてじーっと目で追うようになっている。
にや~っとした微笑ではなくちゃんとした笑顔で笑ってる。
「あー」だけだった声に「うっくー」とかのバリエーションが増えて
舌と唇を使ってちゃっぴちゃっぴ音を出して遊んだりもする。

 

夜は連続して寝るようになって
1日7~8回だったミルクも5回に減り、
うんちなんか1日1回にまとめるようになって
その大量さに上着をかえることしばしば。

 

そして昼間起きてる時間が飛躍的に延びた。
特にミルクを飲み終わってからしばらくは
目をびしっとあけて遊べと要求するのだ。

 

遊びと言っても声が出ると「はーい」と答えたり、

なんだかんだと話しかけたりするだけなのだが、
何が楽しいのか手足をばたばたさせてご機嫌さんでいる。
もちろんそばにいて目を合わせる必要があるので
TVを見ながらとか本を読みながらってのはダメらしい。

(あたりまえ)

 

そうやってしばらく遊ぶと眠くなってぐずぐず言うので
抱っこして歩いて寝かしつける。

 

赤ちゃんのお世話ってなんて楽なの。

 

 

 

ちなみに産後2ヶ月の私の体は

声がかすれて出なかったり、いきなり全身に蕁麻疹が出たり、

悪露(産後の出血)の量が増えて貧血でフラフラの上に

40度近い熱が3日間出たりしていた。

 

それでも昼間は一人でさくらのお世話ができたということは

本当に手がかからない子だったということだ。

 

 

ところで夫。

 

熱でうなってる妻に買ってくるお弁当が

びびんば丼ってのはどうなの。

 

 

 

 

生後2か月の赤ちゃん

●「あー」「うー」など母音を伸ばすクーイングが出る

●ゆっくり動くものなら目で追うようになる

●手足をたくさん動かすようになる

●表情が豊かになってあやせば笑うようになる

●うんちの回数が減る

●首がしっかりして少しなら自分で頭を動かせるようになる

 

 

まださほど育児書と違うところは出てきていません。

 

あ。思い出した。

私の母が産まれて1時間のさくらを抱っこした時に

 

「この子かたい!こんなにしっかりした赤ちゃん初めて!

産まれたばかりの赤ちゃんってもっとふにゃふにゃしてるのに!」

 

と何度も言っていて、

退院したその日に体をよじって横向きで寝ているのを見て

 

「この子おかしいって!普通の赤ちゃんは寝かされたらそのままなのに

自分で体ごと横向く新生児なんて初めて見た!」

 

と騒いでいました。

 

勢いでうつぶせにならないように

座布団で挟んでたっけそういえば。




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あおいです
私と娘さくら(2003年生まれ)は
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