まだハナミズを垂らし、ゼロゼロしているさくらを連れて

食欲がまったく戻っていない私がへろへろ1ヶ月半検診へ。

 

後で分かったけど、これ日付の変更が可能だったのね。

指定された日に行かないと後は実費になるのかと思ってた。

 

 

今日は病院じゃないからね。

怖いことしないよ。

 

と言ってはみたけど伝わるはずもなく、

看護師さんのような人(保健師さん)がたくさんいる中で

服を脱がされた時点で大泣き。

 

「ギャァァァァァァァ!」

 

という絶叫の中体重測定。

ひとりで体重計に乗ることもできないので

さくらを抱っこして量り、次に私だけが量って引き算。

 

私は体重にコンプレックスがないので平気だ!

(そう自分に言い聞かせておく)

 

「体重は9kgちょうどですね。」

 

え!?

 

8ヶ月前の検診から500gも増えてない。

まぁここ半月ほどあんまり食べてなかったから仕方ないか。

 

 

次は身長。

ごろーんと寝転がって測るタイプ。

 

これでもか!と体に力を入れて逃げようとするので

保健師さん3人がかりでさくらを押さえつける。

 

「ギャァァァァァァァ!」

 

あーあーもー

 

 

「身長はー 84.2cm」

 

え!?

 

身長は10cm以上伸びてる。

なんかすごいな。

 

 

 

もうすでにズタボロになっているさくらをなだめながら

次は医師の診察。

 

当然泣き止むことなどない。

 

 

「ゼロゼロ言ってますね!

咳してますか!?薬もらってます!?」←大声で

 

わ。黙ってたのに分かるんだ。すごい。

こんなに泣いててもちゃんと聴診器聞こえてるんだ。

さすがお医者さん。

 

ちょっとひどい風邪をひいてて!咳はもう出てません!

鼻水だけで元気です!薬は飲んでます!←やっぱり大声で

 

「うーん・・・ちょっと気管支がね!

まぁ薬を飲んでるんだったら大丈夫でしょう!」

 

いい大人が大声でしゃべっててなんか笑えてくる。

 

でもすごい。気管支がおかしいってわかったぞ。

こういうところの検診って適当なのかと思ってた。

なんかちょっと安心。(あたりまえ)

 

 

 

これだけ泣いてる子は他にいないってくらい泣き叫んでるけど

入院と通院で長らくこの叫び声を聞き続けた私は

すっかり慣れっこになっていた。

 

走って逃亡して抱っこを嫌がるより数倍楽だ。

手を離しても私にしがみついてて落っこちないし。

 

だっこちゃ~ん♪

 

 

次は歯医者さんだよー。

 

「はい。歯をみせてねー。

お母さん手をしっかり握って肘を足の間に!

そうそう!しっかり持ってて!しっかり!」

 

暴れるさくらを仰向けにして力の限り押さえつけて歯科検診。

ちょっとこれきついかも。

 

さくらは「ギャァァァァァァ!」と言ってるので

歯を診るのにはちょうど良かったかも。

 

でも早くしてー!

 

「んー?虫歯はないけど、噛み合わせがねぇ。

まぁ今の時点でどうこう言えないけど。

ちょっと下の歯が上の歯に当たってる所があるね。

でもだからどうってことはないから。」←耳元で話してくれる

 

・・・・

 

だからどうってことはないんですか!?←私は大声

 

「今の時点ではね。特に何をする必要もなし。

あ。良く噛むと下あごが強くなって

永久歯が生えるスペースができやすいよ。」←やっぱり耳元

 

ふーん

 

この耳元でしゃべられるってほんとごめん。

くすぐったくてぞわぞわして鳥肌が立つわ。

 

 

と。ここでいったん休憩。

大絶叫中のさくらを落ち着かせながらプレイコーナーへ。

 

待合室の真ん中に広げられた大きな絨毯の上には

これでもかーってくらいブロックだのままごとセットだのが散りばめられ

さくらと同じくらい(いや同じなのか)の子供がわんさか。

 

それを見たさくらは、ここは楽しいとこ!と認識したのか

ぱっと目が輝いてすぐに私から離れた。

 

なるべく人のものに手を出さないように

みんなから少し離れたところで遊ばせる。

 

 

 

「さくらちゃーん。さくらちゃんどうぞー。」

 

ほら呼ばれたよ。さくらおいで。おいでってほら!

保健師さんとのお話だよ。さくら!

 

「イギャァァァァァァァ!」

 

声をかけてもまったくのスルーなので、

抱っこして移動させようとすると嫌だとすり抜けて大絶叫。

 

あ、これやばいパターンか。

どうしよう。としばらくさくらを眺めていると

保健師さんがさささっと迎えに来てくれた。

 

「いいよ~。まだ遊びたいんやね~。

どのおもちゃ持って行こうか。これにする?

これもって向こうで一緒に遊ぼうか♪」

 

うまい!すごい!参考にさせていただきます!

 

何個かおもちゃを持ったさくらは

ご機嫌で保健師さんについていった。

 

 

「はーい。こんにちはぁ。ちゃんとこれたねぇ。かしこいねぇ。」

 

「言葉はどうですかぁ?動物の名前とかは言いますか?」

 

動物?動物ですよね・・・

 

えーっと、わんわん。ぶーぶー。くらいなら言います。

(ぶーぶーは動物違う!)

 

「動物はわんわんだけですか?」

 

え?えーっと、動物・・・動物ってなんだ。

あ。ぞうさんと、パンダ。えっと、あと何言うかな。

えーっと、ネコはにゃ~おぅですけどネコ以外も全部にゃ~おぅです。

あ。ハトはぽっぽです。他に動物・・・動物・・・

 

「乗り物はぶーぶーだけですか?」

 

え?乗り物?

そうですね。ぶーぶーだけです。

乗り物って他に何があったっけ・・・

 

 

これ難しすぎる!

さくらが普段何を言っているのかを思い出すのに必死。

起きてる時はほとんどずっと何か言っててそれを気にもしてないから

あらためて「乗り物の名前は言いますか?」と聞かれても、

まず乗り物って何があったっけ?から思い出さないといけなくて

もうこれは本当に難問だった。

 

ぜーぜー

 

 

「はーい。じゃぁ指をさせるかなぁ~

こっち向いてくれる~? わんわんはどこかなぁ~?」

 

さくらに差し出されたボードには絵が6つ描かれていた。

しかもものすごく抽象的な感じがするもので

赤い筆でさささっと描いたような絵だ。

 

こんな絵が認識できるんだろうか。

 

「わんわ!」

 

お。すごいなさくら!

 

「じゃぁぶーぶーはどこかなぁ~?」

 

「ぶーう!」

 

おお。さくらにはこれが車に見えるのか!

私には見えないぞ。(つぶれた赤い粘土みたいな筆書きの車)

 

でも指をさせたのはここまで。

 

「お人形さんはどれかなぁ?」(人形という単語を教えたことがない)

「チョキチョキはさみは?」(そんな危ないもの教えるわけがない)

「まんま食べるお茶碗は?」(お皿なら知ってるんだけど)

「おととのたいたいは?」(魚って言え!おととって!)

 

以上全滅。

 

「大丈夫ですよ。物事はちゃんと分かってるみたいですし。

それによくしゃべる方ですね。」

 

「はい、さくらちゃん今度はこれで遊ぼうか。

積み木だよ。ほらこうやってとんとんとんって。できるかな?」

 

小さい積み木を差し出されたさくらは、

はいはいはいと積んで終わった。

 

「上手だね。じゃぁ崩すね。もう一回やってみて?」

 

積んだ積み木を崩されたさくらは、一瞬「は?」みたいになったけど

積んだらいいんでしょ的にはいはいはいと積んで終わった。

 

「発達も問題なさそうですね。

他に何か心配なこととかはありますか?」

 

えーっと、特にないです。←

 

 

おいおいおいおい!あるだろう!

あれもこれもこういう時に聞くんだよ!

心配はしてなくてもおかしいなって思ったことは聞くんだよ!

 

と今なら突っ込むところなんだけど、

この時は「心配なこと」を聞かれているんだと思って

だったらないな。という判断をしてしまった。

 

言葉を言葉通りに受け取るアスペ脳のなせるわざ。

 

 

 

そして1歳半検診は別室に呼ばれることなく終了。

 

やっぱりここで引っかかるのは

言葉が遅かったり、指示がまったく通らなかったりする子なんだろうな。

 

でも、積み木を積んでる様子や、私が声掛けした時の通らなさ、

自分のしたいこと優先で人の意見を聞こうとしないなど、

やっぱり関わりに特徴があっただろうから

しっかり専門家の目で見て欲しかったなという気持ちはある。

 

1歳半じゃ難しいか・・・

 

 

さぁ帰るぞーと思ったら

さくらはさっきのプレイコーナーに一目散に走っていって

きゃーきゃーと遊んでいた。

 

おーい。帰るってばよー。

 

で。結局最後の最後まで遊んでましたとさ。

保健師さんがおもちゃを片付けるまで!

 

そんな子さくらだけだったよ!

 

 

あ。もしかしてお母さんの方が要注意とか思われてた?

この人、子供に対する関わりがおかしいぞ?みたいな・・・




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新しくもらった薬が効いたのか、はたまた治る時期だったのか

外来から帰った日の夜から突然絶好調になったさくら。

 

まず機嫌がいい。

抱っこ抱っこ言わないで自分で動いてくれる。

 

笑顔も出てきた。

 

それから食欲が出てきて

「ぱん!ぱん!ちちご!」と欲しいものを言ってくれる。

ついこの間までとは勢いも違う。

 

あーよかった。やっと元気になってくれた。

食欲さえ出てくれれば安心。

 

はーやれやれ。

 

 

と。気を緩めたのが悪かったのか

 

この半月分の疲れが一気に私に襲い掛かってきた。

 

 

朝ごはんのあとに下痢気味だなーと思ってたんだけど

それから1時間もしないうちにどんどん酷いことに。

 

洗濯も掃除も片付けもやりかけなのに

まったく手が付けられないくらい体が動かなくなった。

 

いったい私の体で何が起こってるんだ。

 

そのうち吐き気もしてきてトイレから出られなくなった。

体内の水分が全部出るんじゃないかと思うくらい上へ下への大騒ぎ。

 

なんとかおさまると這うように部屋に戻り

横になろうとするんだけど体中が痛くてじっと寝ることもできない。

 

のたうちまわるとはこのことか。

 

そしてまたトイレに戻る。

 

こんなに苦しくて辛いの久しぶりだわ。

このまま死ぬんじゃないかと思ったわ。

 

 

さくらはそんな私にお構いなしに散らかし放題。

ひとりで遊んでいい子だね。

 

 

ようやく下痢と嘔吐が落ち着いた夕方、

夫が帰って来て「救急行くかぁ?」と言ってくれたので

連れて行ってもらうことに。

 

この日は土曜日だったので明日まで待っても病院は開かないし、

このしんどさをすぐにでも取って欲しくて。

 

普段なら救急なんか行かないのに

今回はちょっとしんどすぎた。

 

 

さくらは病院に入ると泣いてしまうので

送ってもらった後はいったん帰ってもらう。

 

 

私は待合でも座っていることができず、椅子に横になって待つ。

名前を呼ばれてもすぐに動けず

何度も何度も呼んでもらって申し訳ないことに・・・

 

 

「あー今ねぇ。喉にくる風邪かお腹にくる風邪なんですよ。

ダブルでもらってる感じですね。点滴しましょうね。熱は?」

 

と体温計を渡される。

 

それまで熱は出てないと思い込んでいたけど

脇の下から引っ張り出したそれには「39.2」の数字が。

 

おお。この体中の痛さは熱のせいだったのか。

 

 

点滴をするためにベッドに横になると

寒くて体が冗談のようにガタガタ震えてきたので

布団をかけてもらう。

 

ありがとうございます。

 

でもじっとできないほど体中が痛いので

点滴をしてる間も上を向いて寝ることができず

横向き上向きとうごうごしてたら点滴が止まってしまった。

 

あ、あのすみません。

点滴落ちてないんですけど。

 

「ん?腕動かしました?」

 

と聞かれながら針を戻してもらう。

 

「あ。大丈夫ですよ。入ってます。

でも腕は動かさないでくださいね!」

 

はーい・・・

 

 

結局この日は体の痛みがまったくとれずに

ベッドの中で動き回りながら眠れもしなかった。

 

夫が何を食べさせたのかさくらも下痢してるみたいだけど

そんなこと今はなんかどうでもいい気がしてくる。

 

機嫌がいいから大丈夫でしょ。

 

 

 

そして日曜を挟んで月曜日。

 

なんとか起き上がれるようになったので

久しぶりにさくらの顔をじっくり見・・・

 

なんですかこの汚れた子は。

 

鼻を拭いてもらってないのか

鼻水がカピカピに乾いた上にさらに乾いた鼻水が立体的に重なっている。

なんかすごい。穴開いてる?息出来てる?

 

オブジェ?

 

お湯で湿らせたタオルでゆるめながら拭く。

気持ち悪かったのかさくらもおとなしい。

 

ふきふき

 

それから夫が買って来てくれたんであろう

数々の惣菜のごみを片づけて、

菓子パンとポカリという適当な朝食を出して

さくらはとなりのトトロにおもりをさせる。

 

さくらは病み上がりだから栄養をとらなければならないのに

なんかごめんよ。

 

私も何か食べないといけないなと思って

雑炊をちょびっと食べて後悔の嵐。

 

苦しい。食べるんじゃなかった。

ほとんど胃が動いてない。吐けば楽なんだろうけどそれは嫌。

 

あうー・・・

 

そうか。さくらもこういう状態だったんだ。

なのに食べろ食べろって言って悪かったな。

今更だけどごめんよ。

無理に食べさせたから酷くなったんだね。

ミルクも胃腸炎にはよくないと知らなくて飲ませてたし。

 

そんなこんなで、脂汗を流しながら1日終了。

なにやってんだか。

 

 

それでも私もさくらも徐々に回復して

20日間に渡る長い闘病生活が終わった。

 

 

ちょっと、今回は、本当に疲れた。

健康って大事!

 




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遊歩道にほとんど人がいなかった日、

おばあちゃんと一緒だったこともあって

少し歩いて遊具のある場所まで行った。

 

そこにはコロコロローラーの滑り台がある。

 

階段を登ってコロコロ滑る

階段を登ってコロコロ滑る

階段を登ってコロコロ滑る

 

延々と繰り返すさくら。

 

 

この日は本当に人がいなくて

誰にも気を使うことなく楽しく遊んで帰った。

 

 

・・・・

 

 

だがしかし。

 

その次の日のことだった。

 

場所を覚えてしまったのかはたまた偶然なのか

いつものようにたったか走り回るさくらの後を追いかけてたら

昨日来た遊具がある場所まで来てしまった。

 

ヤベ・・・

 

私は砂場だの滑り台だのブランコだの

そういう遊具がわんさとある場所が嫌いなのだ。

 

なぜってずっとついて歩かないといけないから。

順番を守らせるように言い聞かせないといけないから。

人のもので勝手に遊ばないように注意しないといけないから。

 

他のお母さん方と関らないといけないからー!

 

 

でもさくらはお友達がたくさんいた方が楽しいらしく

ずんずん自分から入ってってしまう。

 

まったく物怖じしないし、

振り返って私の顔を見ることもない。

 

仕方ないので私も後ろからついてゆく。

 

 

最初は滑り台ですか。

 

「あ。ほら下にお友達がいるからちょっと待ってね。」

「すいませ~ん。ほら滑ったらすぐどかないとダメでしょ。」

「滑り台を上っちゃダメだって。」

「はい。じゃぁ座ってゆっくりね~。」

「あ。お手手が当たるよ。ごめんなさいね。」

「いえいえ大丈夫ですから。」

 

あああああ!

 

次は乗り物ですか。それさくらの違うぞ。

 

「それお友達のでしょ?黙って乗っちゃダメよ。」

「ああいいですよ。どうぞ乗って下さい。」

「すいません。」

「あ、ほらお友達が乗りたいって。」

「貸してあげなさい!今乗ってないでしょ!」

「いえいえいえいえいえ」

 

あああああもおお!

 

いやこういうのを教えなきゃいけないのは分かってるさ。

順番だの貸し借りだの待つだの譲るだの

親がお手本を示しながら対人関係を学ばせるのは大事さ。

ああ大事さっ

 

でもイヤなもんはイヤなんだよぅ

えーんえーん

 

と心の中で叫びながら2時間たっぷり遊びましたさ。

ブランコも滑り台も三輪車も車のおもちゃも

全部他の子に混じって遊びましたさ。

 

他のお母さん方とも世間話しましたさ!

 

偉いぞ私!

 

明日は逆方向の公園に行こう・・・・

 

 

 

 

ぐたり疲れてそう誓ったまた次の日。

 

さくら今日はこっちに行こう。ほらこっちこっち。

テニスしてる人がいっぱいいるねぇ。

 

と昨日行った方向とは逆に誘導しようとしても

たったか足取りも軽やかに遊具の場所へ向かってしまった。

 

なんてこったい!

 

これは道を覚えてしまったってことだな。

楽しい場所へ行くにはこっちってインプットされてる。

 

やばいかもぉぉぉ

 

 

遊具のある場所は日曜だからかいつもより人がわんさか。

お母さんだけじゃなくお父さんもいたりするので

平日とまったく雰囲気が違う。

 

しかも何を思ったのか子供がたくさん走り回っているその中で

バドミントンをしている若者もいる。

 

もっと広いところでしてよー。

 

んなこたぁお構いなしのさくらはどんどこずんずん進んでゆく。

ブランコがびゅんびゅんこがれていようと

大きい子が自転車で走り回っていようと

キャッチボールをしてる間だろうと

ちっとも目に入っちゃぁいません。

 

待って!ストップ!危ないって!

 

マジで止まれ!!

 

 

そしてふと娘が2歳くらいの男の子に目を付け

その子が地面の砂で山を作っているのを凝視。

 

何をするつもりだろう・・・

 

じーっとその子を見ていたさくらは

近くに寄って隣にちょこんと座って

作っている最中の砂の山に手を出した。

 

と、その瞬間、男の子が「うぎゃー!」っと手をびしばし払いのけ

立ち上がってえいっとさくらを押し倒してしまった。

 

男の子は「えっへん」って顔。

さくらは「何が起こったの?」って顔。

 

 

あああ、ごめんごめん。お山作ってたんやね。

ほらさくら向こうで遊ぼう。

お山作りたいんだって。

 

しばらく転がったまま固まっていたさくらに声をかけると

むっくり起き上がってなんとまたその男の子に近づいた。

 

お友達嫌がってるやん!

やめなさいって!

 

と言っても聞いちゃいない。

 

男の子は「え?なんでこいつまだ来んの?」みたいな顔をして

もう一度えいっと押してはみたけど

さくらはまったくひるまない。

 

それどころか、どんどんその男の子に近づいて行く。

 

これどうしたらいいの。

さくらを抱き上げた方がいいの?

 

と思っていると「ぼくこの子のお兄ちゃんやねん」

という子が出てきて、さくらの相手をしてくれた。

小学校2年生くらいかな。

 

お兄ちゃんが「あっちに行こう」と言うと

さくらも素直にとことこついて行く。

 

え?なんで?

 

 

それからずっとそのお兄ちゃんが遊んでくれて

人懐こくて私にもいろいろ話をしてくれたおかげで

ずいぶん楽させていただいた。

 

 

 

この一件で私には公園で子どもを遊ばせるスキルが

まったくないことを思い知らされた。

 

さくらにはこちらの声掛けはまるで入らないので

言い聞かせではどうにもならないし、

かといって相手の子にどう話しかけていいかも分からない。

 

 

 

私は小さいころ、知らない子が遊んでいる公園には入れなかった。

話しかけるのも、ひとりで遊ぶのも恥ずかしかったから、

公園に来たんじゃないですよーって顔をして通り過ぎていた。

 

親に連れて行ってもらっても、

誰もいない公園じゃないとイヤだと駄々をこねて

あっちこっち公園めぐりをしてもらったこともある。

誰かが来たら別の公園に移動するのだ。

 

なぜ世界は私だけのものじゃないんだろう。

邪魔な子がいっぱいいる!と本気で思っていた。

 

 

そんなわけで、私には絶対的な経験値が足りなかった。

 

小学校低学年くらいの子が上手にあつかえるのに

私はたださくらの後をついて歩いてるだけだ。

 

少しずつ慣れてくるのかな・・・

 

 

*後にこれはさくらが言うことをきかなさすぎてつらかっただけだと判明。

私みたいに頭を下げながら走り回ってるお母さんいなかったわそう言えば。

 




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自分の周りに何があるか認識できるようになって

体を自由に操れるようになったさくらは

どんどんチンパンジー化してきた。

 

  • キーキー雄叫びを上げながら走り回る
  • うつ伏せ寝になって後ろへずりずり下がる
  • 四つん這いでたかたか走る
  • クッションや布団や私目掛けて走ってダイブ
  • 椅子の上に立って背もたれを持ってガコガコ移動する
  • 本棚やタンスによじ登る
  • ベッドのヘッド部分に立つ
  • 床や壁をドーンドーンと叩いて鳴らす

 

とまぁ、なかなか激しいので

家の中ではちょっとやめさせたい。

 

 

でもやめなさいと言って聞くような子じゃないので

こっちの声もだんだん大きくなる。

 

「おりなさい!」

「危ないって!」

「しずかにしなさーい!」

 

でも聞かない。

本当に聞かない。

私の声なんかまったく届いてない。

 

さくらへのこの届かなさは異常。

 

「分かる?聞こえてる?大丈夫!?」

とゆさゆさしたくなるほど。

 

音も振動もまったく伝わらないマジックミラー越しに

我が子に向かって叫んでいる感じとでも言おうか、

叫んでるこっちが異次元に飛ばされたような感覚になる。

 

 

そんな私をよそにさくらはすこぶるご機嫌で

ものすごく楽しんでいる。

 

自分の体が思うように動かせるようになって

楽しくて仕方がない感じ。

 

こんなこともできる!

あんなこともできる!

こんどはこれをやってみよう!

 

と目をキラキラさせているということは

止めるべきではないのかもしれないけど、

 

 

・・・・

 

 

私は制止が効かないさくらを見ながら考えた。

 

 

たとえば公園ではどうだろう。

 

公園や広場ではどれだけ騒いで走り回ってもいいし

なんならもっと走れ~と私も笑顔で見守っている。

 

遊具によじ登るのには手を貸すし、

励ましの言葉なんかもついてくる。

 

がんばれあとちょっと!上手!

さくらはジャングルジム上手に登るね~

ぱちぱちぱち

 

 

いっぽう家ではどうだろう。

 

同じことをしても

「こら!うるさい!やめなさい!」と叱られる。

本棚やタンスに登ろうとすると

「危ない!おりなさい!」と引きずりおろされる。

 

 

これ、理不尽よね。

 

さくらはこの違いが分からないのかもしれない。

あっちはよくて、こっちはダメなんて

場所によって言われることが違うと混乱するんじゃないだろうか。

 

 

ボールは投げると上手~!と褒められるのに

お茶碗を投げるとおこられる。

 

水が入ってないコップはひっくり返してもいいのに

水が入るととたんに「こぼさないで!」と言われる。

 

座布団は踏んで歩いても何も言われないのに、

本やCDを踏むと「踏まない!」と叫ばれる。

 

 

私はこの違いのルールを自分で見つけるまで

理不尽に怒られていると感じていて

大人は自分の勝手な都合だけで私を叱るんだ!

と怒られれば怒られるほど私も怒っていた。

そしてとても悲しかった。

 

そうだ。私は分からなかったんだ。

 

同じことをしているのに、何も言われない時と

叱られる時との違いが分からなかった。

 

どうして?と質問しているのに、

分かるように教えてくれる人はいなかった。

 

「やめなさい!」 どうして?

「いいからやめなさい!」 だからどうして!?

 

この「どうして?」が大人をカチンとさせることにも気づかず、

火に油を注ぐように質問して、さらに怒られていた。

 

大人には「分かってるけど私はこれをするの!」という

聞き分けのないわがままな子に見えたんだろう。

 

多分それは、見れば分かる。普通に考えれば分かることで

いちいち説明するまでもないことだったんだろう。

だから誰も教えてくれずに、余計に怒ったんだ。

 

 

今私はさくらにそれと同じことをしている。

ただただ「やめなさい」としか言ってない。

 

でも、どうやって教えよう。

私はどう教えてもらいたかった?

 

 

 

やっぱり「本当のことを具体的に」が一番だな。

 

 

 

そしてタンスを登ろうとしているさくらを抱っこして

大きな声を出すのではなく、ゆっくり説明してみた。

 

*我が家ではチェストのことをタンスと呼ぶ。

同じようにファンヒーターはストーブだし

コンディショナーはリンスだ!

 

 

さくら、これこっちから登ると倒れてくるの。

これが全部さくらに落っこちてくるんだよ。

 

と私はタンスの前で手を上にあげて

さくらに覆い被せるように動かした。

 

そうしたらさくらがタンスの下敷きになるんだよ。

タンスの下から出てこられなくなっちゃう。

怖いし、暗いし、痛いよ。

 

 

私が怒鳴っている時は完全にスルーするさくらが

ふむふむという顔をして聞いている。

 

よし。ここで代案だ。

 

 

だからね、タンスに登りたい時はこっち。

こっちの横から登ろう。

 

座椅子をここに置いてみよう。

ここに足を乗せてごらん。そうそう。上手。

 

 

もちろん座椅子の背もたれに登ったところで

タンスの上には届かないんだけど、

さくらはたったこれだけで

正面から登ろうとするのをやめてくれた。

 

 

何かの上に登りたい要求を全て押さえつけるのではなく、

危なくない(危ないんだけども)方法を教えることで

最悪の事態は防ぐことができる。

 

 

1歳半でもきちんと話せば分かる。

 

分かってはくれるけど、教えたいことは山のようにある。

 

成長すればするだけどんどん増えるだろう。

大変だぞこりゃ。

 

とっさに説明できるように

普段からしっかり考えておこう。

 

 

 

そしてその日、おばあちゃんの家に行ったさくらは

おばちゃん(義母さんの妹)をぺったり張り付かせて

狭くて急な階段を上っては下りしてすごく楽しんでいた。

 

「なぁ!この子これいつまですんの!?」

 

1~2時間くらいかな。

 

「ははははは」

 

冗談だと思っていたらしいけど、

さくらは本当に1時間半これをやった。

もちろん15分くらいからは私が代わったけど。

 

やめさせる理由が思いつかなかったからね。




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さくらは基本私からは逃げていくけど

知らない人にはどんどん近寄っていく。

 

遊歩道で散歩中、人を見つけるととりあえず

 

「おーい」

 

と呼びかけて手を振りながら近づいて

なんならそのままどんどんついてってしまう。

 

完全に無視してさっさと行くサラリーマン、

「え?え?」と困惑する中学生、

「かわい~」と言ってくれる高校生、

「お散歩してんの~?」と笑顔で話しかけてくれるおばちゃん

「おーいやて!あははは」と笑って去っていく小学生。

 

ウォーキング中のおばあちゃん軍団に

「一緒に行くか~?」

「これこれ、ほんまに付いて来たらあかんがな。」

などと言われたり、

 

管理事務所の人にテニスボールをもらったり、

公園を掃除してる人に葉っぱ付きの枝をもらったり、

 

さくらは私をほっといて

いろんな人といろんな交流を楽しんでいた。

 

そしていつしか私もそれを

後ろからついて行きながら眺めるだけになっていた。

 

 

そんな日々の中、初めておじさんに注意された。

 

「人見知りせん子やなぁ。

でもな。こういう子は気をつけなあかんで。

こういう子がいっちゃん危ないねん。

誰にでもにこにこ近寄って行くやろ。」

 

あ、はい。

 

「ほんまやで。よーよー見といたらな。

お母さんが目ぇ離した隙に袋でも被されてみーな。

もうわかれへんぞ。」

 

袋・・・ですか。

 

「そのまま車に乗せられたらもう終いや。

その場を見ててもどうにもなれへん。もう探されへんで。

外国に売り飛ばされたり、臓器取って売られたりな。

そんなん関係ない話や思てるかもしれへんけど

実際あんねんからな。

この辺は変な人が多いからほんまに気をつけや。」

 

あ、はい。ありがとうございます。

 

 

 

そうか。走って飛び出して車にひかれたり、

どんどん行って迷子になることは考えていたけど

 

誘拐されるという可能性か。

 

 

・・・・

 

 

さくらを連れてった人は困るだろうな。

言うこときかないし、こだわりは強いし。

 

でもすぐ殺されたらそんなことも関係ないのか。

 

 

でももう、これ以上さくらを縛り付けておくのは無理だし、

もしそうなったとしても

 

「私はこれ以上できないほどがんばった」

 

と自分には言えるんじゃないだろうか。

他の人はいろいろ言うかもしれないけど。

 

 

と思いながら一度も振り返らないで

とことこ歩き続けるさくらを追いかけていた。

 

 

さくらは人との関わりを求めているし

コミュニケーションも楽しんでいるように見える。

 

でもそれは「自分がしたいこと」限定で

相互的な関わりとはちょっと違う気がする。

 

 

もう少し大きくなったらどう教えようか。

 

私は「知らないおじさんについて行かない」と習った。

おじさん限定なのは時代だろうな。

 

 

袋を被せられるか・・・

 

 

注意してくれたおじさんはいったい誰だったんだろう。

わざわざ教えてくれたということは、

それだけ危なっかしく見えたんだろうな。

 

もしかしたら何度も会ってる人だったかもしれない。

 

 

それからはさくらが近寄って行く人を

きちんと見るように心がけた。

 

私は人の顔を判別するのが苦手なので

顔は見ずにその他のもので区別する癖があったけど

目を合わせるとこっちから挨拶もしやすいので

積極的に人の顔まで自分の顔を上げるようになった。

 

遊歩道で会う人は初対面でも何度も会ってる人でも

「挨拶→今起こってることを話す→別れる」

という一連の流れは同じなので、不必要にドキドキすることもない。

 

そして私はさほど時間をかけずに

遊歩道で知らない人と立ち話ができるようになった。

 

さくらのおかげだな。

 

この頃のさくらははまだおしゃべりができなかったので

「おーい!」と言いながら近づいて行ったり、

拾った石を「いーし!」と見せたりするだけだったけど

 

それを

 

「さくらはすごいなー。私にはできないなー。

そうかああやって人と仲良くなるのか。なるほどなー。」

 

という羨望のまなざしで見ている妙な親を

みんな暖かく見守ってくれていたのかもしれない。

 

なんせ毎日いたからね。遊歩道に。

 

 

 

 

積極奇異型・孤立型・受動型

 

アスペルガー症候群の人を

 

「積極奇異型・孤立型・受動型」

 

という3つのタイプに分けたりする。

 

健常児にも性格があるように、アスペルガーでも性格はある。

脳の特性はあっても、受けとった後の行動が違うのだ。

 

さくらは積極奇異型と孤立型のミックス。

この2つは相反するようだけどなぜか混ざり合っている。

ただし受動型はいっさい見受けられない。

 

*この3つのタイプは固定されいるわけではなく、

成長と共に変わることも多々あります。

 

 

積極奇異型の特徴

 

・人見知りをせずどんどん他人に近づいて行く。

・聞かれてもないのにいろんなことを話す。

・初めてあった人にも馴れ馴れしく接する。

・知らない人にも平気でついて行く。

・場にそぐわないことを一方的に話し続ける。

・相手の反応によって態度は変わらない。

・人との距離が異様に近い

 

 

 

孤立型

 

・コミュニケーションが取りづらく、目線を合わせにくい。

・話しかけても無反応のことが多いが、用事があれば話しかけに来る。

・自分の世界がしっかりあり、そこへの人の介入を嫌がる。

・ひとりで遊ぶことを好み、友達と一緒に遊ぼうとしない。

・周りにだれもいないかのように行動する。

 

 

 

受動型の特徴 

 

・誘われたらするが、自分から積極的には動かない。

・したい、したくないの自己表現ができにくい。

・自己主張があまりないので、育てやすいと感じる。

・流されやすく、言われるままに行動する。

・ストレスをためやすく、発散もしにくい。

・障害があると気付きにくい。

 

 

 

 

さくらは公園では積極奇異型っぽかったけど、

家では孤立型だった。

 

小さい頃は物怖じせず誰にでも話しかけていたのに

どこでどうなったのか、小学校高学年くらいになると、

自分から友達を遊びに誘うのにも勇気が必要になった。

 

「今日は遊べない」と言われたらどうしよう。というよりは

友達に話しかける自分ってキャーーー!みたいな感じだそうだ。

恥ずかしいとはまた違って、行動そのものがキャーー!

 

って分かりませんよその説明。

 

でも中学生になってそれも徐々に克服しつつあるので

やっぱりさくらはいろいろ混ざってるなという印象。

 

人の性格を3つに分ける方がおかしいんだ。

 

 

 

ちなみに私は小さい頃は周りが見えなかったこともあって積極奇異型。

幼稚園頃から人と違うと恥ずかしいという思いから受動型。

 

今はいろいろいい感じに混ざってる。

 




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ショッピングセンターのキッズコーナー。

 

ここへくると遊べる!と分かってからは

自分から進んで入るようになった。

 

まだ時々脱走するので目は離せないけど

公園で追いかけているより楽。

 

飛び出しても道路じゃないしね。

 

 

でも今日は夏休みに入ったからか、いつもより人が多かった。

その中へいつも通りさくらを放り込む。

 

そーれ遊んでこーい

 

 

 

さくらは人見知りもせずどんどん中へ入ってゆく。

 

というか私から離れようとする。

私はやりたいことを止める人と認識されてるからね。

 

さくらはクッションに体当たりしたり

大きな積み木の上に乗ったり

ちょっと大きい子とおもちゃを取り合ったりして、

でも取られてもかんしゃくを起こすでもなく

わりと上手に遊んでいるように見える。

 

と!

 

なんかすごいお姉さん登場!

 

 

歌のお姉さんさながら全身を使って

歌って踊って「みんな元気ー?」ときたもんだ。

 

わお。なんだろ。保育園の先生かな。

今日はそういうサービスでもあるのかな。

 

 

すぐに子どもの輪ができる。

すごいな。

 

 

さくらもなんだなんだとその輪の中へ入ったんだけども

お姉さんの真似をして体を動かしている子にまみれながら

 

じーっとしている。

 

歌って踊ってるお姉さんを凝視。

ひたすら動かない。

 

 

なんか固まってるな。

なんでだろう。

 

 

そういえばさくらはまだジャンプが出来ない。

足踏みを早くする事はあるけど

両足で飛んだり跳ねたりするところを見たことがない。

さくらくらいの子はみんな飛び跳ねてるのに。

 

ジャンプできないから固まってる?

いや、それ以前にやろうともしてないよな。

 

うーむ

 

 

あまりにじーっとしているので

時々お姉さんに肩や頭をちょんってされるんだけど

それにもまったく反応をしない。

 

あのさ、踊らないんなら離れたら?

そこすんごい邪魔になってるよ?

 

と思うんだけど、私が中に入るともっと邪魔だろうし

遠目でしばし見守る。

 

 

あれは観察だろうか。

さくらは今どう思ってるんだろう。

 

普段、幼児向け番組を見せても一緒に踊ることはなく、

ただただテレビをじーーっと見ているし

それと同じ感覚なんだろうか。

 

だとしたらいくら見ても真似をすることはないな。

かといって興味がないわけでもないらしい。

 

 

さくらの頭に吹き出しでも出ればいいのに。

 

「このお姉さん何やってるんだろう?」とか

「この動きにどんな意味があるんだろう?」とか

 

 

 

私は恥ずかしくてできない子だった。

 

こういう場面ではちょっと離れたところにいて

興味ないしね~って態度で、でもチラチラ見て

「おいで!一緒にやろう!」と言われても行けなくて、

でも本当は一緒にやりたくて、

 

盛り上がりが最高潮に達したころに

ちょっとやってみようかな~って気分になり、

 

よし。やってみよう!

と思った時には終わりの時間。

 

というショボンな子だった。

 

 

 

でもさくらは違うな。

お姉さんの真ん前に陣取ってるし。

 

なんだろう?

 

 

しばらくそうやってさくらの真意を想像しながら

お姉さんを観察しているさくらを観察していた。

 

そのうちどんどん子どもの数が多くなり、

ますます騒がしくなって、いろんな子が体に当たったりすると

とことこと私の方にやってきた。

 

外でさくらが自分から私にキターーー!

 

どしたの。

見るの終わったの?

 

と抱っこするとぴたっと密着。

 

おおおおお。かわいい~

いつもこうならいいのに~

 

 

なんだかよく分からないけど気持ちが折れたようなので

キッズコーナーは終了。

 

じゃぁ静かなところに行こうか。

とベビーカーに乗せてころころ歩いていると

あっという間に眠ってしまった。

 

そんなに疲れたの!?

 




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さくらも身長がずいぶん伸びたので

もう三輪車に乗っても足が届くだろうと

プレゼントされたまま仕舞いこんでいた三輪車を出してみた。

 

そして乗せてみる。

 

おお。足が床につくじゃん。

乗れるじゃん。

 

んが。

 

さくらはこぐということが分からなかった。

 

ここに足を乗せて前にぐっと押すんだよ。

と言ってもさっぱり分かってない様子。

 

両足をペダルに乗せて押してみても

ふにふに勝手に動く足が気持ち悪いのかすぐ下ろすし

ほっとくと床を蹴ってどんどん後ろへ下がってしまう。

 

うーん

どうやって教えるんだろう?

 

 

そんな時、公園でさくらを遊ばせていると

三輪車に乗った女の子とそのお母さんに遭遇。

 

んもうひと目で女の子って分かります。

すんごくかわいいです。

 

じーっと見ていると向こうから声をかけてくれた。

 

「こんにちは。おいくつですか?」

 

あ、こんにちは。

えっと、1歳と1ヶ月です。

 

「一緒くらいと思ったんですけど違いましたねー

うちの子2歳になったところなんですよー」

 

この「一緒くらい」は社交辞令と知ってるぞ。

小さい子の年齢の話をするときには

見た目より大きく言うのがマナーということを。

 

でも私は上手にそれができない。

 

えと、やっぱり2歳になるとしっかりしてますね。

 

くらいが精いっぱいだった。

ぜーぜー

 

 

さくらは女の子が乗ってる三輪車が気になるのか

砂や葉っぱで汚れた手で触りまくって

女の子に「ヤ!」などと払いのけられていた。

 

ほら。触らないでって言うてるやん。

見るだけにしとこーな。

せめて手をぱんぱんしとこか。

 

絶対聞かないと分かっていても

女の子のお母さんの手前せっせと注意しながら

さくらの手を制する。

 

もちろん聞かないけど。

 

ほっとくと女の子を押しのけて三輪車を奪いかねないので

抱っこしようとしてもぐねぐね体をよじってしまう。

 

や、やばいかも・・・

 

女の子もイヤと言ってるのにどんどん来るさくらに

「いやー!やんやんやー!」

と、私の三輪車に触るな寄るなとばかりに両手ぶんぶん

 

だよね。だよね。

 

ごめんねぇ。と女の子に謝りつつ

ジタバタする娘をかかえつつ

三輪車っていくつになれば乗れるのか聞いてみると

 

「いやまだ2歳でも無理ですよ。

前に体重をかけるってのが難しいみたいで。

最近は最初から自転車に乗せる人が多いですねぇ。」

 

なんですと!

2歳でも無理ときたか。

しかも三輪車すっとばして自転車かい。

 

さくらを押さえるのが限界だったので

素早くバイバイしてその場を去る。

 

そして振り返ってよく見てみると

その女の子も地面を蹴り蹴りしながら進んでいた。

 

娘はまだ私の腕の中でうねうね。

ウナギかお前は!

 

 

大きくなったらお友達と上手に遊べるようになるのかな。

同じくらいの子の集団に入れて

いろいろ経験させないとよくないかな。

 

とちょっと思ったけど、

 

まぁまだ小さいから大丈夫でしょう~

 

と、行動を起こすことはなかった。

 

だって人がいないところで遊ばせる方が断然楽なんだもの。

 

人の子やママさんに気を使いながら

我が子を謙遜しながら遊ばせるって

 

私には絶対無理!

 

それにさくらはじっとしてないし。

砂場でゆっくり座って遊ぶとか無理だし。

 

と自分に言い聞かせて

今日もまた遊歩道を歩くさくらを追いかける。

 




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「毎日外で遊ばせなければならない」

 

という強迫観念にとらわれていた私は

さくらを毎日外に連れ出していた。

 

朝ごはん

外遊び

昼寝

 

という予定を毎日繰り返し。

 

したいしたくないではなく

毎日同じ。予定通りが安心という私の特性からだ。

 

 

でも雨の日は外遊びができない。

 

だけど外に連れていかなくてはならない。

(家で過ごしてもいいんだよと誰か教えてあげて)

 

そんな時はマンションの階段で遊ばせていた。

 

遊ぶというか、階段の上り下り。

 

 

まずは家から出て階段を下りる。

 

見ていて怖いので手をつなごうとするんだけど、

どうにも自力でやりたいらしくて嫌がってしまう。

 

一番下までおりたら、今度は上がる。

上がっている時は後ろにぴったり張り付いて

転がっても落ちないように見守る。

 

でもやっぱり怖いので手をつなぐと

1段を1歩で上がろうとし始める。

 

そんな短い足じゃ無理でしょ。

 

と言ってもなぜか手をつなぐと1段1歩。

 

 

そうやって手をつないだり、つながなかったりしながら

一番上まで上がって(途中何度も下りる)

また一番下まで下りてゆく。(途中何度も上がる)

 

 

何度も何度も。

 

何度も何度も。

 

 

健常の子にもブームがあってそればっかりで遊ぶことはあるけど

1時間も2時間も同じことを繰り返すことは稀だと思う。

 

さくらは私が止めるまで

何かに取りつかれたように上り下りを繰り返していた。

 

 

 

 

自閉症の「同じ行動の繰り返し」と「強迫観念」の違い

自閉症の子は同じパターンを繰り返すことを好みます。

これは「同じが安心」という特性からで

そうしていることが本人にとって心地よく安心するから。

 

階段なんてまさに「繰り返し」そのもの!

 

一段上がってもまだある。

一段下りてもまだある。

 

そうとう面白いんでしょうね。

真剣な顔で階段を見つめてとことことことこ

それに「階段おもしろいな~」と長時間付き合う私は

 

「私って子どもに合わせて遊ぶいいお母さん♪」

 

と思ってました。

 

これ、自閉症の繰り返しと私の強迫観念が

うまいこと合わさってるだけなのに。

 

 

自閉症の繰り返しは本人にとって心地いいものですが、

強迫観念の繰り返しは苦痛を伴うことが多い。

 

これが大きな違い。

 

強迫観念と言うとちょっと大げさかな。

 

例えば、犬がいるから早起きして散歩に行くけど、

犬がいなければ朝早く散歩になんか絶対行かない。

 

みたいな感じ。

 

もともと外遊びがしたいわけではない私は

外で自分のしたいことなんてまったくないので

さくらがどれだけ階段に固執しても平気だった。

平気というより、私が遊びを考えなくていいので楽だった。

 

目的は一緒に楽しむことではなくて

さくらを外に連れて出ることだったから。

一定時間さくらと外にいればそれだけでよかったから。

 

2時間も階段の上り下りをしている親子って

いったいどんな風に見えていたんだろう。

 




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さくらが9ヶ月になり、私は育児書を読むのをやめた。

 

「0歳から1歳半までの育児大百科」という本を買っていたけど

ほとんど参考にならないのでブックオフに売った。

 

育児雑誌も買っていたけど、この月からやめて

古いのは全部捨ててしまった。

 

*応急処置の別冊だけは取っておいた ←これ大事!

 

 

 

世の中の平均を知ってそれに合わせるのではなく、

目の前のさくらという人間に向き合って行こう。

 

さくらが欲しているものを与え、

嬉しい、楽しいと思えることをたくさんして、

 

 

「生きるってすばらしいと思えるように」

 

「人と違ってもそれを誇れるように」

 

「なにより自分自身を大好きになれるように」

 

 

私は9ヶ月になったさくらを前にそう決めた。

 

 

 

さぁ、さくら、一緒に手をつないで行こう。

 

大丈夫。

お母さんは人と比べられて同じようにしなさいと言われたり、

イヤなら自分で道を作ってひとりで進みなさいと放り出されることが

どんなにつらく、しんどいことかよく分かってる。

 

さくらはさくらのままでいいし、

誰が何を言っても気にする必要はない。

 

レールを敷くつもりもないし、

好きにしなさいと手を離すつもりもない。

 

人間の社会というのは表と裏があって複雑だし、

日本という国の教育システムはおかしいから

絶対どこかで引っかかると思う。

 

だからこそ一緒に考えながら進んで行こう。

 

 

と、へこへこ歩いているさくらの片手を取って

手を繋いで歩けないもんかとやってみたけど

どうもバランスが取りづらいらしく

すぐにくるんと回ってしまう。

 

ぶら下がってる?

自分で歩くのは一緒なの。手をつなぐだけ。

 

とやってみても、やっぱりくるんと回ってしまう。

 

さくらは前に進めないじゃないかと怒って

手を振りほどいて1人で行ってしまった。

 

 

おーーい (( ̄▽ ̄)ノ

 




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さくらがヒモの次にキュピーン!☆と反応したのがぬいぐるみ。

(この犬はレオンという名の我が家のゴールデン)

 

お店で何の気なしに見せたぬいぐるみに

今までにない興奮を見せた。

 

ぬいぐるみ好きなの?

いっこ買う?

 

何がいいだろう。

 

気を付けなければいけないのが

「さくらはなんでも引きちぎって食べる」という点

 

目はしっかりとくっついているか

レースがぴろぴろしてないか、

いろいろ引っ張って確かめる。

 

それならとしっかりしたぬいぐるみを持たせると

これは違うと手から離してしまう。

 

くたくたのがいいの?

 

大きいのもイヤなのね。

 

じゃぁこれは?

 

と見せたのが、クリスマスで売れ残ったんであろう

一匹だけひっそりいたトナカイのぬいぐるみ。

 

「キャーーフー!」

 

はい決定。

 

 

絶対に口に入れるのでまず洗って天日で干してから渡す。

はいどうぞ。

 

 

 

 

とまぁすんごい気に入りよう。

 

どこが顔か分かっているらしく、

なにやらうにゃうにゃ語りかけている。

 

他のおもちゃは移動する時に手放してしまうのに

このぬいぐるみは常に持っていたいようで

口にくわえて這ったりする。

 

お母さんネコですか。

 

 

しかし、あれだけなんでもどこでも噛みまくるさくらが

このトナカイだけは鼻しか口に入れない。

 

なぜ?

 

噛みやすそうなツノもあるのに、そこは持つだけ。

ぴこっと出てるしっぽも噛まない。

 

なぜか鼻(というか口?)だけ。

 

そして長い時間トナカイのぬいぐるみと語り合うのだ。

 

 

ちなみに名前は「トニー」と夫がつけた。

 

トニーはその後もずっと我が家にいて

どこも破れたりすることなく今でも健在。

 

 

 

 

感覚過敏(肌触り)

 

さくらは短い毛が密集している手触りが好きで

ぬいぐるみならなんでもいいというわけではなく、

触ってみてしっくりくるものがいいらしい。

 

特に眠い時などは好きな感触をくちびるにあて

さわさわさわと動かしながらとろ~んとしていた。

 

これ、分かる。

すごく分かる。

 

私は眉毛の密集感が好きで

自分の眉毛をさわさわさわと触る癖があり、

さくらと同じく眠くなると無意識に触って

親に「またもじゃこして。眉毛なくなるよ!」と言われていた。

 

もじゃこて・・・

 

で、実はいい大人になった今でも眉毛を触る癖は残っている。

でも人前ですることはないので、誰にも迷惑はかけていない。

 

安心できるものを持ってるのはいいことだ。

 

たださくらの場合、ぬいぐるみを持ち歩くという

ちょっと面倒なことになってしまった。

 

 

眉毛さわさわを教えたんだけど(教えるなよ)

それはどうも違うらしい。

 

眉毛はくちびるにあてられないもんね。

 




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私と娘さくら(2003年生まれ)は
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