新しくもらった薬が効いたのか、はたまた治る時期だったのか

外来から帰った日の夜から突然絶好調になったさくら。

 

まず機嫌がいい。

抱っこ抱っこ言わないで自分で動いてくれる。

 

笑顔も出てきた。

 

それから食欲が出てきて

「ぱん!ぱん!ちちご!」と欲しいものを言ってくれる。

ついこの間までとは勢いも違う。

 

あーよかった。やっと元気になってくれた。

食欲さえ出てくれれば安心。

 

はーやれやれ。

 

 

と。気を緩めたのが悪かったのか

 

この半月分の疲れが一気に私に襲い掛かってきた。

 

 

朝ごはんのあとに下痢気味だなーと思ってたんだけど

それから1時間もしないうちにどんどん酷いことに。

 

洗濯も掃除も片付けもやりかけなのに

まったく手が付けられないくらい体が動かなくなった。

 

いったい私の体で何が起こってるんだ。

 

そのうち吐き気もしてきてトイレから出られなくなった。

体内の水分が全部出るんじゃないかと思うくらい上へ下への大騒ぎ。

 

なんとかおさまると這うように部屋に戻り

横になろうとするんだけど体中が痛くてじっと寝ることもできない。

 

のたうちまわるとはこのことか。

 

そしてまたトイレに戻る。

 

こんなに苦しくて辛いの久しぶりだわ。

このまま死ぬんじゃないかと思ったわ。

 

 

さくらはそんな私にお構いなしに散らかし放題。

ひとりで遊んでいい子だね。

 

 

ようやく下痢と嘔吐が落ち着いた夕方、

夫が帰って来て「救急行くかぁ?」と言ってくれたので

連れて行ってもらうことに。

 

この日は土曜日だったので明日まで待っても病院は開かないし、

このしんどさをすぐにでも取って欲しくて。

 

普段なら救急なんか行かないのに

今回はちょっとしんどすぎた。

 

 

さくらは病院に入ると泣いてしまうので

送ってもらった後はいったん帰ってもらう。

 

 

私は待合でも座っていることができず、椅子に横になって待つ。

名前を呼ばれてもすぐに動けず

何度も何度も呼んでもらって申し訳ないことに・・・

 

 

「あー今ねぇ。喉にくる風邪かお腹にくる風邪なんですよ。

ダブルでもらってる感じですね。点滴しましょうね。熱は?」

 

と体温計を渡される。

 

それまで熱は出てないと思い込んでいたけど

脇の下から引っ張り出したそれには「39.2」の数字が。

 

おお。この体中の痛さは熱のせいだったのか。

 

 

点滴をするためにベッドに横になると

寒くて体が冗談のようにガタガタ震えてきたので

布団をかけてもらう。

 

ありがとうございます。

 

でもじっとできないほど体中が痛いので

点滴をしてる間も上を向いて寝ることができず

横向き上向きとうごうごしてたら点滴が止まってしまった。

 

あ、あのすみません。

点滴落ちてないんですけど。

 

「ん?腕動かしました?」

 

と聞かれながら針を戻してもらう。

 

「あ。大丈夫ですよ。入ってます。

でも腕は動かさないでくださいね!」

 

はーい・・・

 

 

結局この日は体の痛みがまったくとれずに

ベッドの中で動き回りながら眠れもしなかった。

 

夫が何を食べさせたのかさくらも下痢してるみたいだけど

そんなこと今はなんかどうでもいい気がしてくる。

 

機嫌がいいから大丈夫でしょ。

 

 

 

そして日曜を挟んで月曜日。

 

なんとか起き上がれるようになったので

久しぶりにさくらの顔をじっくり見・・・

 

なんですかこの汚れた子は。

 

鼻を拭いてもらってないのか

鼻水がカピカピに乾いた上にさらに乾いた鼻水が立体的に重なっている。

なんかすごい。穴開いてる?息出来てる?

 

オブジェ?

 

お湯で湿らせたタオルでゆるめながら拭く。

気持ち悪かったのかさくらもおとなしい。

 

ふきふき

 

それから夫が買って来てくれたんであろう

数々の惣菜のごみを片づけて、

菓子パンとポカリという適当な朝食を出して

さくらはとなりのトトロにおもりをさせる。

 

さくらは病み上がりだから栄養をとらなければならないのに

なんかごめんよ。

 

私も何か食べないといけないなと思って

雑炊をちょびっと食べて後悔の嵐。

 

苦しい。食べるんじゃなかった。

ほとんど胃が動いてない。吐けば楽なんだろうけどそれは嫌。

 

あうー・・・

 

そうか。さくらもこういう状態だったんだ。

なのに食べろ食べろって言って悪かったな。

今更だけどごめんよ。

無理に食べさせたから酷くなったんだね。

ミルクも胃腸炎にはよくないと知らなくて飲ませてたし。

 

そんなこんなで、脂汗を流しながら1日終了。

なにやってんだか。

 

 

それでも私もさくらも徐々に回復して

20日間に渡る長い闘病生活が終わった。

 

 

ちょっと、今回は、本当に疲れた。

健康って大事!

 




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退院して1週間。

 

もらった風邪薬は全部飲みきったのに

さくらの熱は一向に下がることはなく、

鼻水も咳もひどくなってきた。

 

背中に手を当てるとゼロゼロ言ってるのがよく分かるし

タンがからんだようなしんどそうな咳をしている。

 

食欲もほとんど戻らず、

うどん数本、おかゆひとくちという食事が続き、

義母さんが心配していろいろなものを買ってきてくれたけど

どれもチラっと見るだけでいらないと言う。

 

イチゴを見て「ちょうだい」と言った時は

あんまりうれしくて2粒も食べさせてしまって

次からまたいらないと言われた時に

ああ一度に食べさせ過ぎたと落ち込んだり。

 

ゼリーは?プリンは?ダメだけどお菓子は?

といろいろ用意してみてもいらないと言う。

 

このままじゃ治るものも治らないよ!?

と思って先生にしばらく禁止と言われていたミルクを飲ませる。

 

と!

 

テキメンに下痢をした。

 

わーお腹もちゃんと治ってなーい!

 

さくらごめーん!

 

 

 

薬を飲みきっても熱が下がらなければ

また来てくださいと言われていたので

再び入院していた病院に行く。

 

泣き叫ぶから余計に体力を消耗しそうと思って

ギリギリまで様子を見ていたけど仕方ない。

 

行くぞさくら。がんばれ!

 

 

 

だがしかし

 

朝1番に予約の電話を入れたのに小児科内科の予約が取れたのは11時。

それでも1時間待ちくらいは覚悟してくださいと言われる。

 

予約の意味ないよねそれ。

 

近所の小児科に連れて行けばいいんだけど

入院からここまで診てもらってる先生の方が安心感もあるし

1時間抱っこする覚悟で行く。

 

とおぉっ!

 

何がこれが1時間待ちどころじゃなかった。

あふれかえってる小児科の待合。

なんだここは。

 

不安でぐずぐず言い続けるさくらをひたすら抱っこして

あっちにうろうろこっちにうろうろ

総合病院って待ち時間がすごいな。

 

そして1時間半待ったところでようやく呼ばれる。

 

「んー・・・気管支炎になってるかもですね。

それと肺炎の可能性もあるのでレントゲン撮ります。

あと熱が続いてるので念の為に血液検査もしましょう。」

 

えー 今から検査すんのー?

検査結果出るまで待つんでしょそれ。

その間ずっとまた抱っこになるし

もう薬もらって帰りたいんですけど、

 

と思ったけど口には出さず。

 

 

そのままさくらは私から引きはがされ、

バスタオルでスマキにされて押さえつけられながら血を取られ

涙とハナミズでズタボロになって帰って来た。

 

よしよし。

でも今からレントゲンもあるんだよー・・・

 

 

レントゲンは緑色のネットでぐるんぐるんにされて

身動きひとつ取れない状況で機械が回転。

恐ろしい部屋に1人にされてパチリ。

 

これかなりの恐怖だろうな。

 

レントゲン室のドアを閉めているにもかかわらず、

廊下にさくらの悲鳴がこだましている。

 

トラウマになったりしないんだろうか。

 

 

やっと終わってぐちょぐちょになったさくらを受け取り

待合の廊下でせっせとなだめる。

 

叫び過ぎて体が震えている。

 

もう終わったよ。もう大丈夫だよ。

お母さんが抱っこしとこうね。

お終いお終い。薬もらったらおうちに帰ろうね。

 

さくらは叫び疲れたのか、

そのまま私に抱かれて気を失うように寝てしまった。

 

抱っこは重いけど

ここまで泣き叫ばれると寝てくれてた方が楽だわ。

 

 

しばらく落ち着いて待合の椅子に座る。

私も退院後ずっと微熱が続いていて体がしんどい。

 

ボーっとしながらさらに1時間待ってようやく呼ばれる。

 

 

「あ。大丈夫ですね。肺炎にはなってません。

でも気管支炎にはなってますねー。

それと血液検査の結果、お薬をかえることにしました。

味が前より落ちるんですけどがんばって飲んでください。」

 

血液検査で使う薬が分かるんだ。すごいな。

よし。その新しい薬とやらに期待。

 

ようやく処方箋をもらって薬局へ。

そしてそのおいしくないらしい粉薬と

紫色のシロップと咳止めのシールをもらう。

 

 

さくらはぐったりしたまんま。

新しいお薬効くといいね。がんばったね。

 




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退院した翌日の朝「パン!パン!」とうるさいさくらに

久しぶりにパンを食べさせてみた。

 

病院じゃおかゆばっかりでパンは出なかったしね。

パンはダメですか?と先生に聞いたら、ダメですと言われたから

本当はまだ良くないんだろうけど。

 

でもおいしそうにぱくぱく食べる姿を見て

元気になってくれてよかった~

 

と思ったのに!

 

パンを食べて少ししたころまた様子がおかしくなった。

再び抱っこ抱っこと甘えてきて

私の腕の中でとろりんとしている。

 

やっぱりパンはまだダメだったか!?

 

お腹しんどいの?

おうどんかおかゆさんにすればよかったね。

 

と思ったけど、熱い気がする。

 

 

熱!?

 

計ってみると「38.1」

 

今回の胃腸炎では熱は出なかったのにここへきて熱ってことは

これは別の風邪をもらってきたのでは!?

 

でも吐き気はないようなのでしばらく様子を見ることに。

 

そして夕方39度台まで上がったので入院していた病院に電話すると

「明日の11時に来てください」とのこと。

 

あ、今日じゃないんだ・・・

 

 

幸いそれ以上熱があがる事もなく

抱っこ抱っこでとろりんとしたまま眠りについた。

 

実は私も昨日から喉が痛くて

咳と鼻水まで出てきて背中らへんがぞくぞくしている。

 

熱は37.5くらいなのでさほどでもないけど

こりゃ親子そろって違う風邪をもらってきたな!

と素人にも容易に想像できちゃったり。

 

入院なんてするもんじゃないな。

 

 

 

そして翌日。

 

さくらは鼻水ずんずるりんで38度前半。

私も微熱の下がらない中、入院していた病院に行く。

 

てくてく

ごほごほ

 

あー歩くの辛いわ。

 

さくらは最初外に出られてご機嫌だったんだけど

病院に着くなり不安な表情になり

待合室に入ると

 

「ギャーーーーーーーーー!」

 

あーあ。完全に病院嫌いになってるわ。

 

「はい。こんにちは。お久しぶりーじゃないですね。」

相変わらず泣いてるね・・・どうされました?」

 

あら入院してた時の主治医さん。

 

あーいや退院した日はなんともなかったんですけど

次の日に熱出しまして。

咳はさほどじゃないですけど鼻水すごいです。

 

これは違う風邪ですか。

 

「ははは。違う風邪ですねー。

入院してる時にうつったんでしょう。」

 

やっぱり。

 

「今飲んでるお薬と一緒に飲んでもいい風邪薬出しておきますね。

これ飲み切っても熱が下がらないようなら来てください。」

 

はーい。

 

 

さくらはずーっと泣いたまま。

受付で書類を待っている間も

それを会計に持って行く時も

処方箋を持って薬局に入る時も

薬が出来るのを待っている間も

全部済ませて家に帰っている最中も

 

ええかげんにせーよってくらい泣き続け。

もう終わったっての!うるさいわ!

 

元気ならなんともないことも

体調が悪いとイライラしてしまう。

 

ずっと抱っこして帰ることもできたのに

泣いているさくらをベビーカーに無理やり押し込む。

 

ごめんけど乗って!

お母さんしんどいの!

 




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胃腸炎で入院して4日目。

 

「今日の血液検査の結果がよければ明日退院です。」

 

と言われて採血することに。

 

この病院は痛いことをする時は親から離す方針なので

私にしがみついていたのをぺりっとはがされ

泣き叫びながらナースステーションに消えて行った。

 

がんばれ~

 

そして力の限り泣き叫びながら帰って来た。

大絶叫ですよもう。

 

おかえり。怖かったな。

よしよし。

 

しかしこれで「やっぱり看護師さんと先生は怖い」

と完全にインプットされたようで

様子を見に来てくれる程度では泣かなくなっていたのに

ちょっとでも看護師さんや先生が見えると

 

「ギャーーーー!」

 

に戻ってしまった。

 

あーあ

 

 

なので、採血の結果を先生が説明にきてくれた時も

泣き声というよりは叫び声なので

お互い耳元で大声で話をしなければならず

それでもいまいち聞き取れないところもあった。

 

「最後まで慣れることなかったな~

普通は3日もあれば笑ってくれんねんけど。

あかんか。痛いことしてごめんな~」

 

と言ってくれる先生になんだか申し訳ない。

でもさくらの怖い気持ちも分かる。

 

結果は脱水がまだあるけど

このまま食欲が出てくれば改善される程度だし

その他の数値もずいぶん良くなっているので

明日退院で大丈夫でしょうとのこと。

 

ほっ

 

さっきベッドにいた時に採血に連れて行かれたからか、

ベッドにいると「だっこーたっちーわーん!」と泣くので

入院してきたばかりの具合の悪い子に気を使って

ずっと抱っこでロビーをうろうろ歩く。

 

採血の時、廊下に出てから引き渡せばよかった。

 

 

歩かせたくてもさくらの靴を持って来てないので歩かせられない。

裸足だと看護師さんに怒られるから。

 

重いからこっそりおろして歩かせていると

 

「お母さん!裸足は危険なので!!」

 

と注意されてしまうのだ。

くすん

 

 

明日帰れると分かると

今すぐ帰りたい気分になってくる。

 

毎日娘はお尻をお湯につけて洗ってもらってるし

体を拭くタオルも毎日配られててさっぱりしてるけど

私は着たきりすずめで汗まみれ。

 

病室の設定温度が28度になってるので

半袖を着てても暑いくらい。

だから娘を抱っこして歩くだけで汗だく。

 

あーお風呂に入りたい

 

夫は出張中なのでまったく頼れないし、

義母さんはリュウマチがあるので無理はできない。

この抱っこ抱っこを見てもらえる人はいないのだ。

 

大部屋なので夜もぐっすり寝られず、

まともな食事もしてないし、生理だし、私の体調もよくない。

 

付き添い入院ってひとりじゃ大変なんだな。

でもこれは準備不足が大きいか。

 

 

 

そして迎えた退院の日。

 

朝ごはんを食べて(と言ってもまだ半分くらいしか食べられない)

最後の診察を済ませて正式な退院許可をもらう。

 

看護師さんが色々説明に来てくれるんだけど

例のごとくさくらは私に必死でしがみついて泣き叫ぶので

説明がほとんど聞こえない。

 

退院準備も側にさくらをかかえて済ませ

書類をナースステーションに持って行く時も

会計にもさくらを連れて行った。

 

「お母さん、外来の方はいろんな人がいますので

あまりお子さんを連れて行かない方が・・・」

 

カチン

 

分かってますよ!

じゃぁ誰が見てくれるんですか!

こんなに泣き叫んでる子ベッドに置いて行けって言うんですか!?

さくらは命を懸けて脱出を試みますよ!

カーテンを引きちぎったり、その辺のものを投げますよ!

その間看護師さんが見てくれるとでも言うんですか!!

トイレに行くので見ていてくださいとお願いしただけで

なるべく寝ている間にと嫌な顔したのはそっちでしょう!!

 

と心の中では叫べても、口には出せない私。

むっつりしながら「はいすみません」とだけ言う。

 

 

そんなひっつきもっつきのさくらをかかえて

やっと我が家へ戻る。

 

5分ほどで「とりあえずいるものだけを!」

と詰め込んだカバン一つしかないので身軽なもんだ。

 

 

久しぶりの我が家に帰ると

まずはたまりまくった洗濯物にとりかかる。

天気がいい日でよかった。

 

それからさくらにうどんを食べさせて昼寝をさせる。

 

ポストに不在通知書が山となり

留守電はちこちこ光り

賞味期限を過ぎた食材が冷蔵庫に満載。

 

あーもったいない

 

そして久しぶりにお風呂に入ってさっぱりして

早い時間に就寝。

 

今夜は他の子の泣き声や咳で起されることなく眠れる。

やっぱりおうちが一番いいね~。

 

 

と思ったのもつかのま

私が病院で風邪をもらってきたらしく

喉が痛くて悪寒がしてきた。

 

やばいぞやばいぞ。




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胃腸炎をこじらせて入院したさくら。

 

怖い痛い思いをする病院にずっといることで

すっかり情緒不安定になって

大げさではなく本当に私にずっと張り付いていた。

 

トイレも行けない、洗顔もできない、

ご飯も食べられないし、お茶も買いに行けない。

 

 

そんな朝、さくらが寝ているうちにと思って

早朝にそぉ~っとベッドを抜け出してトイレに行くと

 

いらんもん来たよ・・・

こんな時に生理ほんまいらんから。

 

ついでにと思って洗顔をしていると

隣のベッドのお母さんが「起きて泣いてます~」と呼びに来てくれた。

 

わーすみませーん!

 

 

さくら起きたの。と抱っこすると、

大量のおしっこで服もシーツもびちゃびちゃ。

オムツ通り越してます。

 

わお

 

点滴してるからね。おしっこいっぱい出てよかったね。

ずっとほとんど出てなかったもんね。

冷たいね。着替えようね。

 

でもその点滴をしているので着替えが大変。

忙しい看護師さんをいちいち呼ばなくてはならない。

 

シーツも濡れたので替えてもらう。

 

 

でも看護師さんが来たことで

余計に私から離れようとしなくなって

着替えをさせるのにも一苦労。

 

着替えるだけだよ!大丈夫だから!

痛いことしないから力抜いて!

 

と、結局無理やり着替えさせる。

 

 

これで機嫌を損ねまくったさくらは

せっかく朝食の許可が出たのにこれを拒否。

 

ちょっとは食べようよ~

ほらお湯みたいだけどご飯だよ~?

 

 

 

でもお昼ご飯はほんのほんの少しだけ食べてくれた。

 

そして昼寝をさせて、急いでコンビニへ!

トイレに行ってご飯を食べる!

 

でも静かな環境で昼寝をしている訳ではないので

隣の子が泣くとか、向かいのベッドに看護師さんが来るとか

廊下を子供が走るとか、そういう音ですぐに目が覚めてしまう。

そして「ああ、ここは病院なんだ」と確認して再び泣き始める。

 

よしよし。大丈夫だよ~

 

他のベッドを見ると聞き分けが出来る子が3人と

(ママトイレに行ってくるね~でおとなしく待っていられる)

転がして寝かせておいて平気な赤ちゃん2人。

 

面倒なのは娘だけ。

 

なんで?

 

すぐ帰ってくるから待っててね。は通じないのに

看護師さんには痛いことされる。って記憶力はある。

 

通じないんじゃなくて、恐怖感が強かったんだろうな。

 

 

そんなわけで、さくらが起きているときは抱っこし続け。

 

救いはそれでもよく寝てくれたことと、

少し食欲が出てきたこと。

 

 

 

そしてその翌日、入院3日目。

 

やっと慣れてきたのか、ベッドの柵を上げて

周りのカーテンを閉めておくと

私から少し離れられるようになった。

 

よかった。

 

でも私はそこでぷつっと何かが切れた。

 

ちょっとでも離れていて欲しい。

少しでも抱っこから解放されたいという思いで

 

「手は使わせないでください」と言われていたのに

私の財布を渡してしまったのだ。

 

細かいポケットがいっぱいあって

そこにひとつひとつカードが入っている。

 

チャックをあけると小銭も出てくる。

 

さくらはこの遊びが好きでとても集中してくれるので

財布を好きにしているさくらを見るでもなく

ボーっとそこに座っていた。

 

 

どのくらい経ったのか、ふと気が付くと

さくらの手がびちょびちょに濡れていた。

 

点滴がもれてる!

 

 

看護師さんに見てもらうと

どうやっても液が入っていかないらしく

とりあえず外しますって事になった。

一度外すと先生の指示がないと再び入れられないらしい。

 

わんわん泣いていたさくらも、

手が自由になってることに気が付くと笑顔が出てきた。

 

せっかく手が自由になったし

今のうちにと思って体を拭いて着替えをさせる。

 

手に気を使わなくていいからすんごい楽!

 

 

しばらくはまた抱っこ抱っこでしがみついていたけど

「あら。好きに歩けるの?」と気付いてからは

裸足でとことこ廊下を行ったり来たりしたり

新生児室の赤ちゃんを見に行ったり体重計に乗ったり

ゴミ箱に顔をつっこんだり階段を上がったり

いきなり別人のようになった。

 

さくらが自分で動いてる!

 

しかも「吐き気がなかったらもう点滴はいいよ」とのこと。

わーいわーい。

 

それで気分が良くなったのか

夕飯もおかゆ以外は食べてくれた。

 

相変らず看護師さんも先生も顔を見るなり泣き出すし

ちょっと不安でもすぐに泣いて抱っこ抱っこだけど

 

元気になってきた。




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嘔吐が始まって5日目。

さくらが久しぶりに笑顔を見せた。

 

調子が良くなったのかな。元気になった?

 

と思ってジュース飲む?と聞くとイヤ。

じゃぁミルクにする?と聞くとやっぱりイヤ。

 

あれ?

 

それでも昨日の昼過ぎから何も飲んでないから、

何か少しでも飲ませないとと思ってミルクを作ってみると

しばらく考えてからちゅっと飲んでくれた。

 

ほっ

 

 

それで血糖値が上がって気分が良くなったのか

布団の上から自分で動くようになって

お昼にはうどんをほんの少し食べてくれた。

 

でもまだ抱っこ抱っこ。

いつもしてるような激しい遊びもせず

すぐに私の膝に入り込んでとろりんとしている。

 

うーん。かわいいんだけどねー

そろそろ元気になって欲しいかも。

 

 

さらに夕方から下痢の回数が増えて

1時間おきくらいにオムツをかえる。

 

食欲が出てきてくれれば下痢は怖くないんだけど

食べない飲まないとなるとやっぱり脱水が心配。

 

どう考えても飲んでる以上に出ている。

 

 

お茶を出してもミルクを出してもポカリを出しても

一口も飲まずに「イヤ」と首を振られると

どうしていいのかわからなくなる。

 

でももらった薬は飲んでいるし、

あとは元気になるのを待つだけよね。

 

 

そう自分に言い聞かせていたこの日、

再び夜中に嘔吐しはじめた。

 

 

ここ何日もほとんど食べても飲んでもないのに

吐き気だけこんなに続くなんておかしい!

 

さくらに何が起こってるの!?

 

 

 

ぐったりしたさくらを抱えて救急へ。

 

毎度ながらの夜間救急で病院嫌いになってるさくらは

そりゃーもー泣くは暴れるわで

レントゲンを撮るためにネットでぐるぐる巻きにされた時なんか

聞いた事もない叫び声をあげて抵抗。

 

あうー ごめんよー

 

 

診察の結果は「急性胃腸炎」

症状が治まるまでは絶食と点滴治療をしますって事で入院決定。

 

その方が安心できる。

これ以上干からびていくさくらを見たくない。

 

 

夜中の3時過ぎに大部屋の真ん中に通されて

「だっこぉ~」と泣き続けるさくらをとにかく泣き止ませる。

 

抱っこしてるよ。大丈夫よ。

 

立って抱っこしてゆらゆらしてると1時間ほどで寝てくれたので

ものすごく喉が渇いてた私はお茶を買いに走る。

 

途中ナースステーションを覗くと

次の入院患者が説明を受けていた。

 

 

すぐに朝が来てザワザワし始めるとさくらがまた泣きはじめた。

なんてこと!ここは病院だわ!!って感じだろう。

 

ずっと抱っこ。立って抱っこ。

つらい。徹夜でお腹減ってるし。

 

 

しかし義母さんは友達と旅行中。

義母さんの妹は会社の慰安旅行中。

夫は出張中。

 

だれか、誰か助けてくれる人は!?

 

と携帯の中をぐるぐる探して、夫の弟の奥さんに連絡。

するとすぐに飛んできてくれた。

 

わーーありがとー助かったー!

 

 

ちょうど昼寝をしてくれたさくらをお願いして

ダッシュで家に帰って用意をする。

 

顔も洗いたかったし部屋も片付けたかったけど

大急ぎでカバンに必要なものだけを詰め込んでゆく。

 

さくらの着替え、オムツ、おしりふき、ビニール袋、

タオル、ハルちゃん!(ぬいぐるみ)

 

途中コンビニで私のご飯を買って病院へ戻ると

絶妙なタイミングでさくらが昼寝から起きた。

 

ほーっ

 

夕方から仕事という義妹はすこし話をして帰って行った。

ほんとうにどうもありがとう。

 

 

 

さて、さくら。

 

吐き気はおさまってるようだけど場所に慣れてないのもあって

とにかくぐずり続ける。ちょっとでも私から体が離れると叫ぶ。

「だっこ」「たっち」「あっち」しか言わない。

 

とにかくずっと立って抱っこ。ゆらゆら抱っこ。

ここまで機嫌が悪いと具合が悪いのかどうかもわからない。

 

大丈夫だよ。怖かったね。

お母さんいるからね。抱っこしとこうね。

あっちには行けないんだよ。点滴ついてるからね。

 

他の人もいるので泣かせておくこともできないし

点滴の針をいたずらしてもいけないので手が離せない。

 

時々診に来てくれる先生は

「退院するころには慣れるパターンだね!」

と言っていたけど、これ無理な気がする。

 

 

そのまま夕方を迎えた頃

慰安旅行から帰ってきたおばちゃんがその足で来てくれた。

 

わーん。ありがとー。

 

 

その間にトイレと洗顔と私の夕飯の買出しを済ませて

TVのカードを購入。

 

ほひ

 

 

それより一緒に寝るにはベッド狭すぎ!

布団小さすぎ!

 

親が付き添う前提ならもうちょっとどうにかしようよ。

 




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夕方一度吐いた翌日の夜中に再び吐き、

この時は嘔吐が止まらずに夜間救急にかかったさくら。

 

朝方病院から戻っても抱っこ抱っことしがみついてくる。

 

怖かったんだろうな。

抱っこして寝かせたのなんか何ヶ月ぶりだろう。

重くて腕の感覚がなくなった。

 

 

私は脈拍数がちっとも元に戻らなくて苦しかったので

気分を紛らわす為に山のような洗濯物にとりかかる。

 

いや文句言う訳じゃないんだけどさ(言ってるけど)

なんでタオルを口の下にあててんのに吐く瞬間に横を向くの。

私とさくらの服といっぱいのタオルですごいことになってるよ。

それにダブルベッドのシーツもあるんだぞ。

 

んがー

 

洗濯機4回稼動。ぐおんぐおん

乾燥機フル稼働。ぐおんぐおん

布団にファブリーズ。しゅびしゅば

 

病院に着ていった服も全て洗う。

 

ふいー

 

 

 

そして9時過ぎに起きてきたさくらはもうよれよれ。

 

はにゃほにゃで私に抱っこをせがむ。

こういう時ってコテンと体重を預けてくれてかわいい。

くにゃんとしててかわいい。

ああかわいい。

 

よしよし。しんどかったなぁ。

 

なんてやさしい言葉も出てくる。

 

水分を取らせるのも怖かったけど

このまま絶食させ続けてたら確実に死んでしまうので

お茶をほんの少し飲ませてみる。

 

 

どきどき

 

 

お。大丈夫そう。

 

ということでミルクを少し与えて、

処方された粉薬も水で溶いて飲ませた。

 

飲んだね。

えらいえらい

 

 

その後も体がだるいのか

ごろんごろんしながら1日を過ごす。

お絵かきや折り紙やシールなんかで静かに遊ぶ。

 

近所の小児科は今日お休みだけど

明日まで待って受診してもいいかな。

お薬はまだあるし、もうこのまま落ち着くでしょう。

下痢もあるけど回数は少ないし。

 

 

なんてのんきに思っていたら

2回目のお昼寝から目覚めた頃から様子がおかしくなった。

お茶もミルクもいらないと言うし

抱っこ抱っこと泣いてしがみついてくる。

 

そして夜、再び嘔吐が始まった。

一度始まると何度も何度も嘔吐を繰り返しておさまる気配がない。

 

吐き気止めも効かない。

 

 

ろくに食べても飲んでもないのにこんなに水分が出たら

干からびて死んじゃうよ!

 

ということで今日も救急にお世話になる。

 

「んー普通は半日くらいで症状は治まるんですけどねー。

最初に吐いてからもう3日目ですよね。

ちょっと血液検査してみます。

その結果しだいで入院になるかもしれませんので。」

 

 

え。入院!?

 

 

と、周りを見てみると今夜も同じ症状の子供がいっぱい。

本当に流行ってるんだなお腹にくる風邪。

 

昨日の今日なので娘は病院の駐車場で「こわい」を連発。

診察室に入るなり何もされてないのに号泣。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!こわいー!こわいー!こわいぃぃぃぃ!!」

 

あーこりゃ病院嫌いになったな。

 

点滴の針を刺す時も血液検査をする時も

親は外で待たされるけどさくらの悲鳴は聞こえてくる。

 

怖いことをする時はお母さんはいない方がいい説の病院と

お母さんがしっかり抱っこして安心させて説の病院があるけど

私は抱っこしときたいな・・・

 

その後はひたすらなだめながら点滴が終わるのを待つ。

 

さくらは待ってる間にどんどん元気になって

あっちに行きたいだの立てだの言い始めた。

 

あ。なんか落ち着いたね。

よかった。

 

 

時々先生や看護師さんが様子を見に来てくれるんだけど

その度に娘はすごい目で睨みつけて私にしがみつく。

この人たちは痛いことをする!とでも思ってんだろうな。

 

血液検査の結果はいろいろあまりよろしくない数値だけど

(本当にこういう説明だった)

見た感じ落ち着いてるし、おうちの方がいいでしょう。

今日はもう帰ってもらっていいですよ。

 

と言われた。

 

 

ほっ

 

 

点滴のおかげで元気になったように見えたけど

油断すまいぞ。という気持ちで帰宅。

 

それからさくら専用の布団を敷いて(洗濯対策)

ゲロボウルを用意して(この後は元気な時も常に枕元に完備)

その横に私の布団を敷いて寝たのに

朝起きたらさくらが私の布団に入り込んでいた。

 

ひとりで寝るのは寂しかった?

 

 

ボーっと起きてきたさくらにジュース飲む?と聞いたらうんと言うので

ポカリスエットを50cc温めてやる。

 

それをちゅっと一気に飲んだかと思ったら

もっとちょうだいと涙を流して訴えるので

 

いや、もうちょっとゆっくり飲もう。

少しずつね!泣かないで涙もったいない!

 

と言い聞かせながらもう50cc温めてやる。

 

 

ってのを何度か繰り返して結局200cc以上飲んだ。

 

大丈夫かいな。

 

 

 

お昼になったので、おかゆを作ったんだけど

これは一口も食べずに横を向いてしまった。

 

ポカリスエットも一口だけ飲んで突っ返された。

 

やっぱり一気に飲ませすぎたか。

まだ食欲はないんだろうな。

 

無理して食べさせない方がいいんだろうけど、

でももう何日もほとんど食べてないのに・・・

 

と思ってると、「ぱん。ぱん。」と言うので

ロールパンを渡してみると

小さいのを1つ食べてお茶を少し飲んでくれた。

 

 

もう、消化がいいとかどうとかより、

何でもいいから少しでも食べて欲しいという気持ちでいっぱい。

 

それから1時間ごとくらいに「ジュース飲む?」とか「パン食べる?」とか

色々お伺いをたてて少しでも脱水から抜け出せるように試みる。

 

昨日よりは飲食できてるとは言っても唇はカサカサ、顔色真っ白。

下痢もまだ続いている。

 

 

その後は夕方になっても、夜になっても何も食べず、

飲み物もイヤだと言ってそのまま寝てしまった。

 

明日は食欲が出ますように。

 




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夕ご飯にしようかというときに、

さくらが変な咳をしているなと思ったら、がばっと吐いてしまった。

 

見ると食べてから6時間は経ってるはずのものが

未消化のまま出てきてる。

 

これは消化不良?

 

と思ってその日は夕飯を抜いて、寝る前にミルク200ccだけにした。

さくらはケロっとしてて普通に元気に見えたし、熱もなかった。

 

 

そして次の日。

 

 

朝ご飯は少な目にしてミルクを少し。

公園遊びは1時間ほどで切り上げる。

 

お昼と夕飯にはとろとろのおかゆさんと野菜の煮物。

その後お風呂に入って寝る前のミルクを飲んでいつも通り就寝。

 

その日は変わった様子もなく、機嫌もよく、

心配し過ぎだったかな~。

 

と思ったその日の夜中2時。

突然むくっと起き上がったかと思ったらまた吐いてしまった。

 

 

昨日と同じように1回だけかなと思って

そのまま寝かせようとしたら2回目。

 

そうこうしているうちに3回目。

とうとう胃の中がからっぽになったのに4回目、5回目。

 

吐くものがないのに吐き気だけが続いていて

見ていてとてもしんどそう。

 

 

ダメだ。こりゃ救急行き。

 

 

1歳前にお世話になった夜間救急に電話をして向かう。

前回と違って娘はぐったり元気が無い。

 

車の中で6回目。

待合室で7回目。完全に胃液のみ。

 

長く待つのかな・・と不安になっていると

案外すぐに呼ばれた。

 

夜間救急って混んでるイメージがあったけど

待たされたことはいままでない。

 

「今ねーお腹にくる風邪がはやってるんですよ。

外で点滴うけてる子は全部同じ症状。

えーっと、浣腸して血便があるかないか調べるからね。」

 

え!浣腸!?

 

とここで私は替えのオムツを持って来てない事に気が付いた。

バカですかー。

急いで近くのコンビニで調達。

 

 

血便はなかったけど脱水状態になってるので

吐き気止めを入れた点滴をしますということになった。

 

手の甲に針を刺されてぎゃんぎゃん泣きまくりのさくらをなだめつつ

待合室で点滴が終わるのをひたすら待つ。

 

よしよししんどいな。

 

その間にも8回目、9回目。

 

せんせ~い 大丈夫なんでしょ~か~

 

 

と言えないくらい周りは同じような子どもが数人。

なんか私まで具合悪くなってきた。おえ

 

そのうち娘は寝てしまい、やっと落ち着いた午前5時に終了。

吐き気止めの座薬とお薬をもらって帰る。

 

 

 

教訓

 

嘔吐で夜間救急に行く時はどんなにあせっていても

オムツ、おしり拭き、着替え、ビニール袋、ティッシュを忘れずに。

 

箱ティッシュをくれた受付のおじさんありがとう!

 




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ホットプレートをがしっと掴んで火傷をしたさくら。

その日から消毒に通う日々が続いた。

 

この時私はまだ自転車を持っていなかったので

片道20分の道をベビーカーを押してとことこ歩いて通っていた。

 

不思議なことに、病院の行き帰りと

診察の時のさくらは本当におとなしかった。

 

 

でも待合にいる時はいつものさくら。

 

奇声を発する訳でもなく(笑い声はたまに)

人のものを触る訳でもなく(触りそうで触らない)

椅子に座っている人の前にいちいち立ってにこっとして

(微笑みかけてくれる人、無視する人、話し掛けてくれる人様々)

受付のお姉さん方に愛想を振りまきながら

長い廊下をちょこまか歩き回っている。

 

これはほっといていいんだろうか。

それとも病院ではじっと座っとくものだと教えるべきなんだろうか。

でも捕まえるとジタバタしてそれこそうるさいだろうし

人に迷惑をかけたら注意・・・

いやうろちょろするだけで迷惑っちゃ迷惑・・・

 

どこまで良くて、どこから良くないのかが分からない。

 

うーん

 

といつもどうしようか悩みながら時間が過ぎる。

 

 

診察室に入るとさくらはぴたっとおとなしくなる。

私の膝に座ると自ら手を出し、

先生が「はい手を開いて~」と言うとパーにして

そのままじーっとしている。

 

「ほんまにいい子やね。賢いね。

ガーゼ取ろうとしないんだね。えらいえらい!」

 

と毎日言われていた。

私もびっくりですよ。

 

 

「このままばい菌が入らなければ跡が残らず治ります。

でも指を使うなと言っても無理でしょう?

ちょっと舐めたりしゃぶったりするでしょう?

このくらいのお子さんに気をつけろというのが無理なんです。

 

だから少し跡が残ると思ってもらった方がいいですね。

でもなるべく使わないように、汚さないようにして下さい。

完全に治るまで3ヶ月以上はかかります。

 

でもばい菌が入るともっとですよ。

皮膚移植が必要な段階まで酷くなることもあるんです。

今はまだそうなる可能性があるんです。

火傷は油断しないでくださいね。」

 

と、始めのうちは私に話しかけていた先生も

回数を重ねるごとに

 

「これまだ赤くなってるでしょう。だから気を付けてね。

こう指を曲げたり、何かをつかんだりはしないでね。」

 

とさくらに直接言っていたりして、

さくらもこくんとうなづいていたりして

ちょっと見ていて面白かった。

 

 

分かってるんだろうか。

 

 

そうやって2週間も病院に通うと新しい皮ができてきた。

 

「うわ。すごい良くなってますよ。

ほらもう全部新しい皮が出来てるし。

んー引きつれもなさそうだし。皮膚強いですね。」

 

おお。よかったよかった。

そうか皮膚強いのか娘。

 

「もう通院は必要ないですね。

でもまだ皮膚が弱いので傷がつきやすいんですよ。

だからなるべく物を触ったりしないようにしてください。」

 

じゃぁしばらく包帯はしといた方がいいんですか?

それとも空気に触れさせた方がいいんでしょうか。

家で出来る事はありますか?消毒とか必要ですか?

お風呂はどうしましょう。

 

「その辺はお任せします。」

 

 

・・・・

 

 

任せられても困るんですけど! ←具体的な指示がないと不安

 

「新しい皮膚に傷がつかなければ包帯は必要ないんですけどね。

何にでも触るようならしといた方が安全ですし。

お風呂もふやけた所をゴシゴシすれば皮がめくれちゃいますけど。

さささっと洗う程度なら大丈夫でしょう。

消毒は必要ないですけど、あんまり汚れるようならした方が安心です。」

 

ほう。

 

なるほどお任せだ。

 

そうやってちゃんと説明してもらえるととてもよく分かります。

ありがとうございます。

 

 

「この赤い所が徐々に茶色く硬くなってきます。

それから茶色がしだいに肌色になってきます。

長いこと固い皮膚のままですが、

最後にはちゃんと元通りになりますから。」

 

ほうほう

 

「赤みが引くまで1ヶ月半くらいかかると思います。

それまでは気をつけてあげてください。

それから元通りの皮膚になるまではもう1ヶ月くらいかかります。

もしおかしいようなら様子を見ないで連れてきてくださいね。」

 

はーい

 

新しい皮膚ができて濡らしていいと許可がおりたので

お風呂に入る時にそ~っと包帯を外してみると

 

「くっさ!!めちゃくっさ!

洗わないだけでこんなにくっさくなるんだ!」

 

そ~っと洗おうね。

ふやけたら怖いからお風呂につけないで。

出たらすぐ包帯しとこうね。

 

しばらくはおっかなびっくり。

 

 

 

でもそれから1ヶ月もたたないうちに新しい皮膚がしっかりしてきて、

感染症の危険はほぼなくなった。

 

古い皮膚がべろべろしてるのを引っ張るので

それがなくなるまでは包帯をしていたけど、

病院で言われた通り、時間と共に元通りのきれいな指になった。

 

ほっ

 

 

思い返せば指を曲げない、使わせないというのにどれだけ気を使ったか。

汚すなと言っても半日もすれば包帯は薄汚れてたし

濡らすなと言っても先っちょをがじがじしてたし

それならと靴下をかぶせると、これは気になるらしくて

ぐいーんと無理やり取ろうとするし。

 

お風呂に入る時にはビニールをかぶせて

肘あたりから手首まで幅の広いテープでぐるぐる巻きにして

一滴も水を入れるな!とカラスの行水だった。

 

 

でもそれももう終わった。

曲がったまま指が伸びなくなると言われてたのも。

皮膚が硬くなって跡が残りますと言われてたのも。

 

笑い話にできた!

 

よかった。よかったよかった。

さくらの強い皮膚に感謝。

 




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土曜の夕方、熱々のホットプレートをがしっと掴んで

左手の指が真っ白なってしまったさくら。

 

毎日消毒に通うように言われたので

日曜の朝から総合病院の救急外来へ行く。

 

昨日と先生が違う。

 

「はい、じゃぁみてみましょうね。」

 

さくらはおとなしく自分の手をじーっと見ている。

ガーゼをはがされても泣かない。

 

やっぱり痛くないのかな。

 

昨日調べた「火傷3度は痛みを感じない」が頭を過る。

私は先生の方を向いているさくらの指を覗きこむように見た。

 

昨日は真っ白だった親指以外の全ての指が

白い縁取りをされたような水ぶくれになっている。

 

これってどうなの?

 

「あ~水ぶくれになってますね~

これは絶対に潰さないようにしてくださいね。」

 

潰しちゃダメなんですね!?

 

「中にばい菌が入るとよくないんですよ。

手を使わないように、こう握るようなこともしないでください。」

 

昨日跡が残るかもって言われたんですけど、

どうでしょう!?

 

「え?跡が残るって言われたの?

水ぶくれを潰さなきゃ大丈夫だと思うよ。皮膚強そうだしね。

でもちゃんと毎日消毒には通ってくださいね。」

 

 

水ぶくれを潰さなければ大丈夫なんですね。

分かりました。

 

さくらは私の膝でずっとじっとしている。

痛いのを治してもらえると分かっているんだろうか。

 

自分がされていることをよく見ていて、

嫌がることも、手や体を動かすこともない。

いつものさくらとはまったく違う。

 

「いい子やね~」

 

普段はこんなんじゃないんですけどね。

なんでしょうね。

 

そして昨日よりさらに包帯をぐるぐる巻きにされて、

 

「絶対に汚さないように!濡らさないように!」

 

ときつく注意を受けた。

 

 

そしてその翌日。

この日は月曜日だったので普通の外来で消毒をしてもらう。

 

今日も違う先生。

 

診察されるたびに先生が違うのは

総合病院だから仕方ないのか。

 

 

「何で火傷しました?ホットプレートか。よくあるね。

この水ぶくれは潰しちゃいましょうね。」

 

え!?ちょ! ←情報が違うと大混乱

 

水ぶくれは潰さない方がいいって聞いたんですけど。

そのまま無くなるのを待った方が跡が残らないって。

 

「へ?皮は取っちゃダメだけど水は抜いた方がいいんですよ。

それにこの程度で跡は残りませんよ。誰が言ったのか知らないけど。」

 

え? あ、そうなんですか。

なんか拍子抜け。

 

「でもそれは病院で毎日しっかり消毒をする前提ね。

ばい菌が入ったらどんどん酷くなるから。

そうなったら傷跡が残るような程度まで進行したりして怖いよ。

火傷は本当に怖いの。普通の怪我と違うから。」

 

じゃぁ、だったら、やっぱり水ぶくれは潰さない方がいいのでは?

と思ったけど、先生は淡々と処置を進める。

 

娘の指をひらいてぱんぱんに膨れ上がった水ぶくれを

1つずつ丁寧に針を突き刺して水を抜いてゆく。

その数9個。あぅ。痛々しい・・・

 

娘はこの日も大人しくじーっと見ている。

 

そして丁寧に消毒をしてから

青いジェルを塗ったガーゼをべちょっと貼って

昨日よりも更にぐるんぐるんに包帯を巻かれる。

 

「動かさない方がいいから。手を握るようなこともしないで。

本当は板かなにかで固定したい所だけどね。

嫌がって取ろうとしたら逆効果だし。でも絶対汚しちゃダメ。

それから消毒には毎日必ず来るように。」

 

 

どの先生も一貫して言うのは

 

「汚すな。濡らすな。毎日消毒に通え。」

 

これは絶対ということだ。

よし分かった。

 

 

幸いさくらは包帯を無理やり取ろうとはせず、

先の方を少しがじがじかじるくらいだった。

 

あんなに何でも食べてしまうのに

やっぱり自分に起こったことが分かっているんだろう。

 

さくらは賢い。

 




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あおいです
私と娘さくら(2003年生まれ)は
アスペルガー症候群
息子いぶき(2012年生まれ)は
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そんな親子の療育的日常

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