早期療育の必要性


療育とは

アスペルガー症候群の人に共通する症状として次の3つがあります。

 

■社会性がない

いわゆる空気を読むことが苦手です。
それは脳の働きが健常の人と違うことが原因なので、
見れば分かる、考えれば分かるものではありません。
集団心理も薄いので、みんなと違う行動を取りがちです。

 

■コミュニケーション能力がない

言葉を言葉通りに受け取ってしまうので、冗談や皮肉が通じません。
会話も一方的なものになり、相手の表情を読み取る力も弱いことから
友達が離れていったり、いじめの対象になったりします。

 

■想像力がない

この想像力とは空想の世界という意味ではなく、

みんな座ってるから私も座るんだな。とか

お母さんがものを乱暴に置いてるから機嫌が悪いんだな。などの
言わなくても分かること、暗黙のルールが理解できないことです。

 

 

この誰にでもありそうな曖昧な症状を元に判断するため、
アスペルガー症候群自体がとても分かりにくいものになっています。

 

またアスペルガー症候群は自閉症スペクトラム障害の中にあって、
他に自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害など細かく枝分かれしています。

 

さらに注意欠陥・多動性障害や、学習障害などを併発していることもあり、
分かりにくさに拍車がかかっています。

 

このような一見しただけでは分かりにくい障害は
たとえきちんと診断されていたとしても

 

「しつけの問題」「努力不足」「甘え」「性格の問題」

 

と誤解されることも多く、障害そのものよりも
そうした周囲の理解不足に苦しんで疲れ果てている人も多くいます。

 

しかしアスペルガー症候群の特徴は
親のしつけが間違っていたわけでも、本人の努力不足が原因でもありません。

悪気があって人を傷つけようと思っていたり、

自分さえよければいいんだという独りよがりでもありません。

 

ちょっとした支援があれば世の中の仕組みを理解し、
みんなと一緒に社会で活躍できます。

 

この支援が療育です。

 

 

療育は早い方がいい

アスペルガー症候群の子は知的能力が高いために

よく分からない世の中の仕組みを自分で一生懸命考えます。

 

ものごとの全体像をとらえるのは苦手なので

細かいことを頼りに、必死にルールを探します。

 

この自分で考えて作ったマイルールが

世の中のいわゆる「わざわざ教えなくても分かる」ことからズレてしまいます。

 

自閉度が高ければ高いほどズレが大きくなり、

また作ったマイルールが膨大になると、

正しい理解を教えても修正するのに時間がかかってしまいます。

 

 

例えばさくらのマイルールに

「親は決まっているものではない」というものがありました。

 

これ、わざわざ教えますか?

自分を産んだ人が母親と決まっています。とか

帰る家を子供が選ぶことはできません。とか

2歳の子にこの説明が必要だとは思いませんよね。

(いろいろな家族のありかたはこの場合おいておきます)

 

しかしさくらはお花見をしている知らない家族のシートに座って

お菓子ちょうだいとあたかもそこの子のように振る舞ったり、

公園で一緒に遊んでくれた親子が帰ろうとすると

当たり前のようについていくことがありました。

 

ここで「ダメでしょ!」と怒ってもさくらには分かりません。

自分が所属する家族が変更不可だと知らないからです。

 

これは本当の親に愛着がないという訳ではなく、

お気に入りの絵本を選ぶかのように

今日はここにしてみよーっと。という感覚です。

 

 

我が子が自閉症だと分かっていて、

この子はすべてをいちから教えなければ理解できないんだ。

と親が気を付けていても、

 

えええ!そこが分かってなかったの!?

 

とびっくりすることが次々出てきます。

まして、親が気付いていなかったらなおさら多くなります。

 

このマイルールが多くなる前に、それにしがみついて固執する前に、

できるだけ早く、世の中の仕組みやルールを教えないと

本人もつらく、まわりも困ることが増えていきます。

 

 

しかし、アスペルガー症候群は早期療育がしにくい障害です。

 

 

 

アスペルガーの早期療育のむずかしさ

アスペルガー症候群は発語や知的な遅れがないため、
1対1で行う乳幼児健診で引っかかることはまずありません。

 

さくらは自閉度が高くアスペルガーとしての特徴は顕著でしたが、

それでも3歳半検診では見つけてもらえませんでした。

 

「今日は誰と来たのかな?」

 

お母さん。あちらに座っている人が私のお母さん。

(あちら。と言うさくらの手は芝居じみていました)

 

「そうなの。じゃぁどうやってきたのかな?歩いてきたの?」

 

家からここの駐車場までは車で来たけど、

あ、車を運転したのはおばあちゃん。お父さんのお母さんだよ。

お母さんのお母さんもおばあちゃんだけど、

今日はお父さんのお母さんの方のおばあちゃん。

車はおばあちゃんの車で、いっつもおばあちゃんが運転するの。

車は駐車場にとめて、そこからここまでは歩いてきたよ。

 

実際はもっと長々としゃべってた気がするけど、

とにかく普通の3歳児とはかけ離れた妙な回答をしているのに

利発なお子さんですね~。

と褒められて終わったくらいです。

 

今考えるとこの時の保健師さんがハズレだったのではと思います。

少し経験があれば「この子あやしい!」と分かるはずです。

 

でも、自閉度が高いさくらでさえこうだったので、

もっと自閉度の低い、周りに合わせられる子の場合

「ちょっと変わった賢い子」と思われるだけで、
小さいうちにアスペルガーと診断されることはありません。

 

幼稚園などで知識のある先生の目にとまり、

この子発達障害があるかも。と気付いてもらったとしても

「お子さんは発達障害の可能性があります」などと
はっきり言ってくれる先生はいません。

 

もっと具体的に

「時々ぼーっとして着替えが遅くなったりするんです。

声掛けはしてるんですけど、なかなか改善されなくて。

もしよければ今度相談員の方が来られるので、相談してみますか?」

などと言われます。

 

そこでよく分からないまま相談員と話をしても

「小さいころはどうでしたか~?おうちではどうですか~?

家でこんな声掛けをして促してあげるといいですね~」

などと、核心に迫った話は避けまくります。

 

親がこの子ちょっと発達に偏りがある?と気付いて

発達検査にこぎつけたとしても、障害名は出てきません。

 

なぜか。

 

診断ができるのは医師だけだからです。

 

幼稚園や学校の先生も、相談員さんも、発達検査をする人も、

「あなたのお子さんは発達障害です」とは言えないんです。

この子絶対に自閉症だ!と分かっても言えないんです。

 

しかしこのことを親は知りません。

 

相談員と話をしたけど、障害云々の話は出なかった。

発達検査をして弱いところは分かったけど、特に何も言われなかった。

 

だから発達障害はないんだ。

となってしまいます。

 

これが軽度発達障害の落とし穴です。

 

そして、本人は生きづらさを抱えたまま成長し、

二次障害に苦しむことになります。

二次障害とは http://maybe.moo.jp/nijisyougai

 

 

 

 

療育の目的

療育は普通の子に近づけるためにするものではありません。

 

みんなと違う働きをする脳でどうやったら楽に生きられるか

それを見つけるためのものです。

 

子供の分からないところを見つけ、

どうやったら分かるかを見つけ、

正しい解釈を教えて、

その上でどうすれば楽になれるか考えて

対処法を教えてあげるのが目的です。

 

 

中には「きちんと座る練習をしましょう!10数える間じっとして!」

などという訓練のような療育もありますが、私は反対です。

 

楽しくなければ療育ではありません。

困っているのは親でも教師でもなく本人です。

 

「今日笑ってない子は、将来も笑えない。」

 

というのが私の持論です。


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