「これはなに?」攻撃(1歳4ヶ月)


 

さくらはいろんなものを指さして

 

「んちゃぁ?」 (これは何?)

「ん?」 (もっかい言って?)

 

としつこくしつこくしつこく聞いてくるようになった。

 

これが始まると終わりがない。

延々と延々と、本当に延々と聞いてくる。

 

 

夕飯の支度をしようと冷蔵庫から野菜を出すと

 

「んちゃぁ?」

 

にんじん

 

「ん?」

 

にんじん

 

「ん?」

 

にんじん

 

「んちゃぁ?」

 

だいこん

 

「ん?」

 

だいこん

 

「ん?」

 

だいこん

 

 

戸棚から調理度具を出すと

 

「んちゃぁ?」

 

おなべ

 

「ん?」

 

おなべ

 

「ん?」

 

おなべ

 

「ん?」

 

おなべ

 

「ん?」

 

ゲシュタルト崩壊するわ!

 

 

ゲシュタルト崩壊とは

「あ」を何回も何回も何回も書いているうちに

「あってこんな字だったっけ?」と分からなくなる現象。

同じ言葉を何度も言ってるうちになることもある。

 

 

これはさすがの私もイラっとする。

 

言葉を覚えようとしているんだから

覚えるまでとことん付き合うべきなのは分かっているけど

それでもちょっとこれはきつい。

 

そこで私が取った回避方法は

 

「私が常にずっとしゃべってる」こと。

 

 

はーい。人参さん出ましたー。これにんじんって言うんだよ。

人参さんは熱いお風呂にじーっと我慢してつかってたから

こんなにまっかっかになっちゃったんだよ。

 

次は大根さんでーす。白いねー。

大根さんはお風呂にいっぱいつかったから白いんだよ。

 

ゴボウさんもあればよかったけど今日はないね。

 

はいじゃぁ今からたまごスープ作りますよ。

ダイコンさんを切りましょう。

とんとんとん

 

この切り方短冊切りって言うんだよ。

短冊って言うのはね、細長い紙でお願いごとを書いたりするの。

7月7日の七夕には短冊を笹に飾るんだよ。

 

そういえば七夕過ぎちゃったけど何もしなかったね。

来年は笹を買って飾ってみようか。

 

次は人参さんも切りますね~。

同じように短冊切りにしますよ~。

 

でも実はこの人参さんと大根さんって仲が悪いんだよ。

人参さんの酵素が大根さんのビタミンを壊しちゃうの。

でも今日は茹でちゃうから大丈夫で~す。

 

ビタミンCは茹でたら壊れちゃうからね。

でも代わりに甘みが増えるんだよ。

 

おいしいスープ作ろうね~。

 

 

さくらはこういう話し方だと音楽のようにしか聞こえないのか

しばらくは変な顔をして近くにいるけど

そのうち飽きて違うことをし始める。

 

ほっ

 

 

しかしこういう攻防戦を繰り広げるほど

何度も何度も何度も聞いてくるなら

そのものの名前を憶えてもよさそうなのに、

 

さくらは「自分で勝手に名前を決める」ことが多かった。

それは中学生になった今でも多い。

 

 

例えばマグ。

 

お茶を飲む時に使うマグを「まぐまぐ」

といくら教えても絶対に覚えず、

 

「洗うからまぐまぐ持ってきて~」

 

と言ってもまったく通じない。

 

「これだよ」と指をさしても不思議そうな顔をするので

手に持って「これがまぐまぐ」「まぐまぐだよ」

と何度も言って聞かせるんだけど、

何日続けてもさくらはまったく覚えなかった。

 

覚えないというよりは

「違うこれの名前はそんなんじゃない!」

と思っていたんだろうな。

 

 

何の気なしに言った「おちゃ持ってきて」で

マグを持ってきたときにそれに気が付いた。

 

さくらにとってこれは「おちゃ」だったんだ!

 

お茶しか入れたことなかったっけ。

いや、一番最初に「おちゃだよ」と言ったかもしれない。

 

 

一度入れば変更不可。

ああなんて自閉症っぽいんでしょう。

 

 

それから、空のマグを見せて「これがまぐまぐ」

こっちが「おちゃ」今からお茶をマグに入れますよ。

はい。おちゃが入ったまぐまぐ。

 

とかやってみたけど、ええからお茶くれや!

みたいになったので1回しかしなかった。

(もうちょっと続ければよかったかも)

 

 

 

 

覚えやすい名前を勝手につける

さくらはLD(学習障害)もあわせ持っているのか

これが普通の自閉症の脳の使い方なのか分からないんだけど、

 

書く、読む、計算するといったことは人並みにできても

ものを記憶する方法がかなり独特。

 

同じものを見ても同じようには見えてないので

私には想像することもできないんだけど、

(私は娘ほど自閉度が高くないので、まだ普通の範囲だと思う)

名前とものを結びつけるときに特殊な動きが必要で

それがしっくりこないとどうしても覚えられないらしい。

 

そのため、正式な名前ではなく、

自分で勝手につけた名詞を使うことが多い。

 

 

例えば糸ようじ。

 

初めて使った時に、

キっと入って、ポンっと抜けた感覚があったんだろう。

それから糸ようじはずっと「キッポン」

 

小さいうちならまだしも、大きくなってからも

「糸ようじ取って」では「は?どれ?何?」と聞き返される。

 

 

例えばゲームの中に出てくるアイテム。

 

スーパーマリオが空を飛べるようになる

プロペラきのこというアイテムは

 

「ぶぶーん」

 

友達と一緒にゲームをしていて

「ぶぶーん取ろうよ!」と娘が言っても

「は?ぶぶーんって何?」と通じない。

 

そう言われてさくらが「プロペラきのこ」と言うようになるかと言うと

友達の方が「ぶぶーん」って言うようになるという不思議な現象がおきる。

 

中学生が「ぶぶーんちょうだい!」「あ!それ俺のぶぶーん!」

とか言ってるのを聞くと笑えて仕方がない。

 

 

そんなふうに、一度入ってしまった単語はほぼ変更不可なので

周りが慣れるしかないんだろうな。

 

でも実際友達の方が慣れてしまうからおもしろい。

健常の脳って柔軟にできてるんだな。

 




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