見えないおじいちゃん(1歳9ヶ月)


 

いつもは一人で勝手に寝て勝手に起きて

機嫌よく過ごしているさくらが

 

「じーちゃんが!じーちゃんが!」

 

と血相を変えて(という表現がぴったりくる顔で)

お昼寝から泣きながら起きて

ベッドから飛び降りて私のところまできた。

 

怖い夢でも見たの?

 

でもじーちゃんとそんなに関わりないしな。

じーちゃんがどうしたの。

 

「じーちゃんが!じーちゃんが!うわぁぁぁん!」

 

うーん。まだ言葉での説明は難しいか。

じーちゃん怖かったの?

 

「うん」

 

え。怖かったんかい。

じーちゃんさくらを叱ったことなんかないのに。

それともどこか違うとこのじーちゃんかな。

 

トトロやキキにじーちゃん出てこないし、

読んでる絵本にもいないよね。

 

あ。ももたろうのおじいちゃん?

 

「ちあう」

 

違うんだ。

 

どこのおじいちゃんだろうね。

でももう怖くないよ。おじいちゃんいないから。

 

と抱っこから降ろそうとしても

さくらは私にしがみついたまま。

 

「じーちゃん!」

 

え。ちょ、ベッド指さすのやめてくれる?

なんか怖くなるから。

 

じーちゃんいないでしょ。

 

「じーちゃん!」

 

私にがっしりしがみついてベッドを指さし続けるさくら。

 

やーめーてーー

 

いないいない。じーちゃんいないからね。

はい。向こうで遊ぼう。

 

とさっさとリビングへ移動。

楽しい魔女の宅急便をかけて気を紛らわす。

 

さくらもそのうちいつも通りになったので

ちょっと忘れかけていたんだけど。

 

 

夜ベッドの上に座ってさくらと向かい合って

はるちゃんを持って遊んでいた時、

それまで笑顔だった娘がぱっと真顔になり、

さっと恐怖の顔になって固まった。

 

目線は私ではなく、私の後ろ。

私の左後ろ。

 

私の後ろには壁しかない。

 

ちょ!やめ!怖!

 

2歳前で「うそでしたー」とかしないよね。

お母さんにドッキリしかけてるわけじゃないよね。

 

さくらの見たこともないような固まった恐怖の表情と

身動きひとつしないその素振りに

私は自分の後ろを振り返ることができなかった。

 

無理。怖すぎ。

 

そのまま何秒たったろうか。

 

ふっとさくらの表情がゆるんだかと思うと

 

「じーちゃんないなった」

 

と言ったのだ。

 

おじいちゃんがいなくなっただと?

どこにおじいちゃんがいたのかね?

 

あ、いや、言わなくていいよ。うん。

 

 

気のせい気のせいと思いながら布団に入れ、

さぁ、さくら寝ようね~。

 

といつもはほっとくくせに私も布団に入って

ねんねんよーとしてると

 

真っ暗な天井を指さして「じーちゃん・・・」

 

って やーめーてー

 

どこのおじいちゃんか知りませんが

うちには何もないのでどうぞお帰り下さい。

 

って、うちの亡くなったじーちゃんかな。

それならいいんだけど。

いやよくない。さくらを怖がらせるな。

 

 

そしてこの日からさくらは時々奇妙なことを言ったり

見えないだれかと遊んだりし始めた。

 

*ちなみに私には何も見えないし感じない。




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私と娘さくら(2003年生まれ)は
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