幼稚園から療育センターを勧められる(年少)


 

さくらが幼稚園に入園して半年。

 

教室に入らず、言うことを聞かず、おもらしも頻繁で

すぐ裸足になって園庭を走り回り、

イヤなことがあれば先生にも噛みついて逃げ、

減らず口で生意気なさくらにとうとう根を上げたのか

 

幼稚園から呼び出しがあった。

 

 

私はさくらの奇行を奇行とも思っておらず、

なんなら特別で面白い子といい方向にとらえていたので

この呼び出しも特別扱いのような気がして

どちらかというと嬉しく出かけていった。

 

そんなこんなでのんきに幼稚園に出向くと

教室の真ん中にテーブルと椅子が置いてあり

その向こう側に担任の先生が2人神妙な顔で座って待っていた。

 

なんなんですかこの雰囲気は。

これはヤバい方向の特別な予感。

 

とうとう幼稚園辞めさせられるかな。

それでもまぁいいや。来年近所の公立幼稚園に入れよう。

 

と腹をくくって教室に入る。

 

 

 

「わざわざ来ていただいてありがとうございます。

すみませんお呼び立てしてしまって。」

 

いえ、それはいいんですけど。

 

「こちらにお座りください。さくらちゃんは?」

 

園庭で遊んでます。

 

「ほんとにお外で遊ぶのが好きですよね。

私たちが考え付かないような遊びを次々思いついて

一緒に遊んでいて本当に楽しいんですよ。」

 

はぁ。

 

「それに絵も上手ですよね。

やっぱりお家でもたくさん描いてるんですか?」

 

はい。絵は好きで家でもよく描きます。

 

「それに粘土!年少さんはまだおだんごとか、へびとか、

そういうのも作れない子も多いのに、

さくらちゃんはゾウだのキリンだの動物園を作るんですよ!

それもどんどん新しい動物を作るんです!

もうびっくりしてしまって教室に飾ってあるんです!

ほらこれ見てくださいお母さん!」

 

いえそれも家で何度も作ってるので片づけていいですよ。

 

 

って、なにこれ?褒め殺しされてる?

呼び出しの目的が全然見えてこない。

 

時々「こうさせたいのにこうなってしまう」とか

「こう声掛けしてるのにうまくいかない」とか

そういう話を織り交ぜてはくるけど

ほとんどが雑談と言ってもいいようなどうでもいい内容。

 

こんな話ばかりで2時間経とうとしたとき

とうとう私がしびれを切らして聞いてみた。

 

 

すみません、今日呼び出されたのはなんでしょう?

私、遠まわしな言い方だとまったく分からないので

言いたことがあるならはっきり言ってください。

 

迷惑になってるので幼稚園を辞めて欲しいということでしょうか?

 

「いえ!いえ違います!」

 

私としても迷惑になってまで居座るつもりはありませんし

逆にさくらを叱りつけて枠にはめようとも思ってないので

全然言ってもらって構わないんですけど。

 

「違うんです!」

 

と、担任2人が顔を見合わせる。

 

「あの、私どももさくらちゃんが園の生活に馴染めるように

あの手この手でいろんなアプローチを試みてきたんですけど、

専門家のアドバイスがあればもっとうまく行って

さくらちゃんのためになるのではないかと思いまして。」

 

ほらまた遠まわしに言う。

これを要約するとなんだ?

 

専門家に診てもらえと。

 

それは構わないんですけど、

専門家って私は具体的に何をすれば?

 

 

と聞くと担任2人がまた顔を見合わせて

膝の上に置いていたんであろうパンフレットのようなものを

 

「あのこれ」

 

と出してきた。

 

「療育センターという専門機関なんですけど、

こちらでどう指導したらいいのか聞いてきてもらえればと思いまして。」

 

そういう話なら最初から出せよ!

最初の2時間まったくいらんやん!

 

療育センターですか?

 

「はい。ここの電話番号に電話して・・・」

 

はいはい。

 

 

はっきり言って欲しいと言ったあともまったくはっきり言わないし

ものすんごく遠まわしになるべくプラスに聞こえるように

大変言葉を選んで苦労して話してくれたんだけど、

 

要するに「幼稚園ではもうお手上げ」ってことだ。

 

 

療育センターってくらいなんだから療育をしてるところなんだろう。

知ったのは最近だけど、私はこの療育にものすごく興味がある。

 

みんなと同じではなく「自分のために特別に組まれたプログラム」

というところに非常に魅力を感じるのだ。

 

本当は"自分が受けたかったんだなぁ"と思っていた療育に

さくらを巻き込むのはどうかと思っていたけど

幼稚園から「行け」と言われたらこれ以上の理由はないではないか。

 

担任は「これも彼女の個性」を連呼しつつ

 

「せめて椅子に座って先生の話をきけるようにしないと

読み書きといった学習能力があっても勉強が遅れてくるので

小学校に上がるまでに適切な手助けをした方がいい。」

 

と言っていた。

 

これはとても納得しやすい説明だった。

 

 

ただ、私自身はさくらは今のままでいいと思うし

どこでも誰とでも笑顔で元気に遊べるさくらの芽をつみたくはない。

自分以外の全員が黒を選んだとしても、白がいいと思えば白を選ぶのは

褒めて伸ばすべき長所だと思う。

 

ただ、集団生活になるとそれだけでは衝突してしまうし

吸収できるものも逃してしまうことが多くなる。

そこをうまくケアしてくれる療育なら喜んで受けようと思う。

 

もし「座れと言われたら何も考えずに座る練習。はい3分座りましょう。」

なんて訓練だったら断るけど。

 

 

 

さくらは靴下をどこでもすぐに脱いでしまうので

いろんな先生や子ども達が「くつした落ちてたよ」と持ってきてくれるんです~

という話を聞いて

 

だったら名前だけじゃなくてクラスも書いたほうがいいですね。

と言ったら

 

ああそんなの必要ないです。

靴下と言えばさくらちゃんなので。

 

と両手を振りながら笑って即答した。

 

そうか。それだけ有名なのか。

靴下と言えばさくらちゃんて。

 

ならせめて「愛すべき問題児」であって欲しい。

 

 

どうやら幼稚園は辞めなくていいらしい。

それどころか療育への道を開いてくれた。

 

ありがたい。

 

幼稚園から家までは西へ向かうので

きれいな夕日を眺めならが自転車を漕いだ。

 

さくら、療育センターだって。




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